出版社内容情報
西尾 維新[ニシオ イシン]
著・文・その他
内容説明
敗北から学び廃屋を教え、快楽から習い骸骨を数え、抵抗から修め貞操を救え。振り向いて、立ち止まり、踵を返して、立ち行かん。始まりを終わりまで続け。零の横に零を掛けて三つ、零の底に零を並べて二つ。逢わせて一つ、這わせて零へ。優しい僕から、賢しい貴女に、疚しい試験と、寂しい試練を。西尾維新文庫「人間シリーズ」第一弾。
著者等紹介
西尾維新[ニシオイシン]
1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞、「京都の二十歳」としてデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
340
戯言シリーズの世界観の隙間を埋めてより楽しむ為の新シリーズという感じ。面白いは面白いが、戯言シリーズの先に立つ事はなく、このシリーズ独自の主張も無い。感想としては、せっかくなので双識のバトルシーンはもう少し欲しかった気がする。最後の方に登場した人識がやたら強く描かれていて、逆算すると、アレ、双識も早蕨もそんなでもない?と感じた。本シリーズとあわせて、早くも力関係のインフレが起きているような。あとはあの鋏型の武器が何故”自殺志願”と命名されているのかが無性に気になった。他の零崎も気になるので続けて読む予定。2017/07/24
優希
91
面白かったです。会話主体の軽妙なテンポとアクションで話が進むのでサクサク読ました。そのせいか、あまり読んだという印象が持てません。マインドレンデルの使い手・零崎双識。その正体はターゲットを定めての殺し屋。殺人鬼と殺し屋がターゲットを定め、自殺と殺人とは何かを試験するかのように語るというのが独特だな、と。彼らにとって死とは人生の終着点でしかないという答以外の何でもないんですね。それを忌避しようとするから零崎一族のような殺しを厭わない存在がいてもおかしくありません。双識の家族愛が凄いのが憎いです。2016/08/17
nins
47
零崎一賊の話「人間シリーズ」第一弾。「戯言シリーズ」読んでないと面白さ半減の外伝らしい位置。ちらほらと出てくる戯言~の話題が多い事。特にキャラ間の設定は本編必須かと。殺し名第三位「零崎一賊」。そんな零崎の兄さん〈自殺願望マインドレンデル〉零崎双識が登場。女子高生の無桐伊織が巻き込まれた殺しの現場。予想通りにこれでもかというくらいの悪の応酬。零崎を狙う早蕨兄弟。そしてやっぱり零崎人識は一賊の中でも一つ出た存在みたい。さらに死色の真紅は名前だけで別格と。「それでは零崎を始めよう」の台詞通りに次を待ちたい。2012/01/18
ソラ
34
ノベルス版以来の久しぶりの再読。マインドレンデルこと双識は良いキャラだったなぁ。それだけに無くなってしまったのは残念だったけれど、殺人鬼の死としては爽やかな?散り方だったかなぁと思う。2015/06/19
ミンティア
34
人間シリーズ一作目。因みに戯言シリーズは読破済みなので、戯言シリーズのキャラや固有名詞が随所に出てきたのは読んでいて楽しかった。 テーマは色々あったと思います。「悪」や「殺人」や「才能・性質」、「家族」。一体どれが本命だったか分かりかねますが、自分としては一番「家族」がしっくりきましたかね。 それにしても西尾さんの描くキャラは全て濃くて面白いです。一番気に入ってるのが、主人公(?)である伊織ちゃんですね。彼女のギャグや常に平常心を保っているところが面白いかったです。 さて、次の人間シリーズも読みましょう。2012/08/09