出版社内容情報
一家惨殺事件の傷痕が繋ぐ、宿命の愛と絆。17年前に殺された弁護士一家の遺族は、今も「傷痕」を抱えて生きている。被害者遺族の娘と、加害者の血を引く大学生の出会いが、新たな事件を巻き起こす。
内容説明
裁判員制度勉強会で知り合った桜井香子に一目惚れして以来、一色知也の人生は、次第に暗がりへと呑み込まれていく。実は知也は養子で、実父は二十年前の一家惨殺事件で死刑になっていた。刑期を終えて目の前に現れたその共犯者小田島の影に怯えつつ、知也は香子がひた隠す、二人の呪われた宿命を辿ってゆく。
著者等紹介
矢口敦子[ヤグチアツコ]
1991年デビュー。著書に『人形になる』(女流新人賞受賞作)、『家族の行方』(鮎川哲也賞最終候補作)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
140
2011/10/14 Amazonより届く。 2022/1/15〜1/21 父親が殺人犯として死刑に処せられた一色知也は養子として事実を知らずに育つ。裁判員制度勉強会で知り合った桜井香子に死刑制度の是非を問わて戸惑いつつも、初めての恋人に対して必死で応対する。そこに、父親の共犯として服役していた小田島が出所し、知也の前に現れ出生の秘密を聞かされてしまう。本人も知らなかったその事実を、なぜか桜井香子は知っているようであった。 2022/01/21
カッパ
22
もともと復讐や後悔ものを書くという印象。今回もそれは違えていない。ただ、その復讐の方法はいささか常軌を逸していたけど。シスターコンプレックスとはそのようなものなのかな。主人公とその母や刑務官の悩みなど要素が盛り込まれていた。沢山のことが混じり合って熟成していくのが良いと思う。2017/09/29
ゆみねこ
21
実父は一家惨殺事件の主犯として死刑になり、共犯者は刑期を終えて出所。共犯者小田島が目の前に現れた時、一色知也の身の回りに起きた色々な出来事は。。 うーーん、ちょっと詰め込み過ぎているわりに、読後はさらりと忘れてしまいそうな…。2012/04/25
すずきんぐ
6
運命の悪戯?口は災いのもと? という感じで繋がっていった。読みやすかったけど後味はイマイチだった。2015/12/07
ohion
4
一家惨殺、死刑、被害者家族、加害者家族といったキーワードがちらばっています。軸は加害者家族にあったのだと思うけど、なんとなく、芯にまでは迫っていない感じ。被害者家族もそう。出来すぎの偶然(誰かによる必然じゃない)によって新たな事件、復讐が起こっても、出来すぎ感が強すぎる。 惨殺事件の真実も知りたかったなぁ・・・。2011/12/03