出版社内容情報
百田 尚樹[ヒャクタ ナオキ]
著・文・その他
内容説明
命はわずか三十日。ここはオオスズメバチの帝国だ。晩夏、隆盛を極めた帝国に生まれた戦士、マリア。幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続ける。ある日出逢ったオスバチから告げられた自らの宿命。永遠に続くと思われた帝国に影が射し始める。著者の新たな代表作。
著者等紹介
百田尚樹[ヒャクタナオキ]
1956年、大阪生まれ。同志社大学中退。放送作家として人気番組「探偵!ナイトスクープ」など多数を構成。2006年、太田出版より刊行された『永遠の0』で作家デビュー。’08年に発表した小説『ボックス!』(太田出版)で高校ボクシングの世界を感動的に描いて圧倒的な支持を集め、一躍読書界注目の存在となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
528
『永遠の0』が面白かったので期待して読んだが、本作品は全く私の感性にあわなかった。オオスズメバチの帝国の話だが感情移入ができず、帝国に生まれた戦士マリアの苦闘がわからなかった。2011/07/23
射手座の天使あきちゃん
526
「誰も書かなかった驚異の昆虫世界」か? それとも「百田が紐解くススメバチの帝国」か? いえいえ、これはマリアというワーカー(働き蜂)の目を通して描かれた壮絶な種の保存一大「プロジェクトX」でしたよん 「地上の星」のメロディーが聞こえてきますね ♪マリアよ高い空から~教えてよ地上の星を~ マリアよ地上の星は~今何処にあるのだろう~ 無銘の戦士に乾杯!! (^_^)v2013/10/13
ehirano1
500
生き物には各々の(大切な)役割があって、それは傍から見ると何とも過酷だったり無情だったり残酷だったりに見えるかもしれません。しかし、その役割が本人(?)は元より、種族の維持と世代を繋いでいくという尊い事に一生を捧げることだとすれば、これこそがまさに『使命』。そんな尊き使命を全うし生を終える時、『ホッとする』というのが最高の終り方かもしれないと思いました。2021/02/06
鉄之助
499
異色の百田作品ながら、「代表作」に入れてもおかしくない名著だった。驚くべきオオスズメバチの世界が展開され、びっくり! その世界的権威2人からおいしいところをバッチリ取材するワザは、百田が長年手がけていたTV番組「探偵!ナイトスクープ」で培われたモノか? 「ただ恋のためだけに生きる」ミドリシジミに対しオオスズメバチは「ただ戦闘するのみ」。「務めを果たす」ためだけに生きるけなげさは、多くの屍を乗り越え達成した明治維新、の志士に似ている?! 成虫で30日しか生きられないオオスズメバチの一生に感動、すら覚えた。2024/02/06
佐々陽太朗(K.Tsubota)
496
オオスズメバチ(ヴェスパ・マンダリニア)の物語だったとは。題名からの想像を全く裏切られた。しかし、その裏切りはけっしてがっかりではない。非常に興味深い小説でした。以前、竹内久美子さんの御本で「生物はみな利己的自己複製子の乗り物<ヴィークル>なのであって、どうあがこうともその事実からは逃れられない」といった話を読ませていただいたが、蜂の世界においてはその事実がこれほどまでに生態に現れていようとは。驚きである。すべての生物のふるまいはゲノムによってあらかじめプログラムされたものなのだと改めて痛感した次第。2013/11/17