内容説明
惚れた男に促されたものの、奉公先を変える決心がつかないお信。世話になった人に相談に行くと、そこには鬼の話を語る女が…。江戸の怪異を描く、「時雨鬼」(宮部みゆき)。交通事故原因を証明する警官が直面した壁とは?「事故係生稲昇太の多感」(首藤瓜於)など、名手たちによる9作品を収めたアンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIKETOM
7
なかなかな力作ぞろい。ただ、前半部は読んでてシンドイのが多い。それだけ内容が濃いってことなんだけど。そんな中で『事故係生稲昇太の多感』はホッと一息つける作品。内容はあまり心地よくないけどね。個人的なことを言うと『上陸』はソフト業界の「2000年問題」をテーマにした作品。自分は長年この業界にいたけど、バブル崩壊時に離脱した。だから2000年問題は手間とプレッシャーがすごかっただろうなと実感としてわかる。あの時だけは離脱してよかったと心底思ったりね。他に大富豪の60年越しの妄想が大惨事を呼ぶ『バベル島』など。2021/02/28
ひょろ
7
若竹七海「バベル島」曾祖父の日記と主人公の日記を交互に読むことで謎が解き明かされていく。でも、そんなにうまくいくものだろうか。狂人の考えることだからわからん。 北森鴻「邪宗仏」仏像に隠された秘密がキリスト教迫害という暗部をこれでもかというくらい表している。もちろんフィクションなのだろうけど、怖い。 草上仁「サージャリ・マシン」ホラーアンソロジーに収録されている物なので最後にホラー色が出る。SFでありミステリでありホラーでもある作品2016/09/02
ふぃえ
6
『ザ・ベストミステリーズ2001』から9編を選んでの文庫化。五條瑛氏、翔田寛氏、首藤瓜於氏、草上仁氏は初読みでした。馳星周氏の『死神』が一番面白かったかな。2022/07/07
くろぐま
2
短編集。首藤瓜於さんの短編作品が良かった(「事故係生稲昇太の多感」)。「死神」は、中国人名の覚え辛さに人名出るたび見流したけど、それでも内容が分かったし、馳星周さんの他の著書「不夜城」にも興味が出た。「上陸」も良かった。2012/03/08
kazu8823
2
おもしろかた2010/01/16