内容説明
日本復活の「絶対成功理論」!もうリストラはいらない!「骨太」改革で国民は骨折。市場万能主義で日本は沈没。消費税増税では財政再建はできない!東京に活を入れた財政の第一人者による、日本再生「最後の処方箋」を。
目次
序章 「レーガン型改革」をコピーした大失敗
第1章 財政と景気の二兎を得た国
第2章 「歴史の峠」に訪れる財政危機
第3章 「人間を信頼しなかった国」の財政
第4章 三つの政府体系への再編
第5章 他者が成功すれば自分も成功する社会
第6章 二兎を追い二兎を得るシナリオ
終章 「市場の神」対「人間の尊厳」
著者等紹介
神野直彦[ジンノナオヒコ]
1946年、埼玉県に生まれる。東京大学経済学部を卒業。日産自動車を経て、東京大学大学院経済学研究科博士課程を修了。大阪市立大学助教授、東京大学助教授を経て、同大学経済学部・大学院経済学研究科教授。東京都税制調査会会長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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KAZOO
116
地方経済や地方財政のご専門の神野先生の二兎を得る(景気回復と財政再建)経済学についての評論です。スウェーデンのモデルなどを引き合いに出して財政再建と景気回復への道を探るという論点は参考になります。このような本を読むたびにいまの首相は何を目指しているのかがさっぱりわかりません。結局は選挙対策しか頭にないのでしょうね。2016/03/19
佐島楓
38
「日本は国民が政府を信頼していない」。そしてそれは租税負担率に関係していると著者は述べる。そして人を育てることの大事さを説く点がこれまで読んできた経済学関連の本と異なっていると感じた。教育と福祉の充実に租税がもっとフィードバックされ、国民が本当の意味で大事にされる国になってほしいと思う。2015/05/23
isao_key
11
2001年に刊行された日本の経済再生と復興を考える経済政策を、スウェーデンと比較しながら述べている。日本の経済政策よりもスウェーデンの社会保障についての記述が興味深かった。スウェーデンの高齢者への配達サービスは、腕時計型とペンダント型のアラーム・システムが完備していて、アラームを押すと高齢者の居室にある電話で、受話器を取り上げることなく、ホーム・ヘルパーのステーションと通話可能となり高齢者は発作を起こしても動くことなく緊急事態をステーションに連絡できる。またスウェーデンではすべての教育が無償だという。2017/02/07
Humbaba
6
財政再建と景気の回復.それらの2匹の兎のうち,日本は景気の回復を目指した.しかし,それらは2匹の兎でありながら,車輪の両輪であったので,片方だけを改善したとしても根本的な解決にならない.しかも,日本は狙った一兎ですらも逃してしまった.2010/10/11
kishikan
2
「入りを計って出るを制する」財政を預かる官僚、従来の財政学者(御用学者)はそう考えてきた。しかし、行政の根本の意義からみると、それは見事に裏返しの言葉となる。つまり「出るを計って、入るを制する」となる。国民が自ら解決できないことを共同の出資(税金)やその行為を他者に負託することにより解決するのが行政とであり、それは国民総意(民主主義のルール)で決まるというものである。ただし、その前提として自治というものがあるのだが。そうなると不況時の財政再建、財政発動という選択は2者択一ではない。と神野先生は言っている。
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