内容説明
インド西北の辺境、ガンダーラ釈迦がついに訪れることのなかったこの地に、壮麗な仏教美術が花ひらいた。はじめての仏像、つくられた「聖地」、ギリシア・ローマの香り…。繊細な工芸の背後にからむ複雑な謎をあきらかにする。
目次
第1章 中央アジアとインドとヨーロッパの狭間で
第2章 ガンダーラ美術のはじまり
第3章 仏伝の図像学
第4章 仏の姿を刻む
第5章 光と火と天上と
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
umeko
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これは面白かった。「ガンダーラとは?」という漠然とした疑問に、俯瞰的に答えてくれた内容。ガンダーラ美術が誕生しなければ、仏教美術が日本にまで伝播し、このような発展をみただろうかという言葉で締めくくられていたが、ますます掘り下げてみたくなった。2016/05/17
OKKO (o▽n)v 終活中
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図書館 ◆インド仏教美術といえば宮治先生。先行研究諸説を紹介しながら「ガンダーラの民衆の熱い思いに応えて無仏表現にピリオドが打たれた」……のはいいんだが、ちょっとサッパリしすぎで肝心の民衆の熱い思いが読者に伝わってこない感じ ◆この前取り組んだキリスト教美術と違い、やっぱ長年興味持ってきたテーマであるうえ、なんせインドの地理や風土ががっつり体に染み付いているので、数倍の速さで読めて理解できたのだと思うの。その事実には自分でもビックリ。。。なのにインドを研究対象にしないのは、永遠の趣味にしておきたいから♪2013/11/23