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出版社内容情報
意識的に思い出そうとする記憶と無意識に行動にあらわれる記憶を巧妙に仕分けている海馬のメカニズムを、分子レベルで解き明かす!下巻では、いよいよ、人のアイデンティティー(独自性)を決める陳述記憶が、シナプスでどのように保存されるかのメカニズムを中心に解説しています。たとえば、電話番号をおぼえるような短期的記憶から、生涯にわたって忘れることのない記憶まで、そのメカニズムにどんな違いがあるのか。長期記憶を支える分子として、どんな種類のものがはたらいているのか。このような記憶の分子メカニズムが、どのような実験によって明らかにされてきたのかなどが明解に説明されています。
また、運動技能、習慣や連合学習(二つの刺激を組み合わせた記憶、古典的条件づけ)のメカニズムも説明しています。脳が膨大な量の記憶を獲得し保持できるのは、脳内のシナプスが構造的、機能的に可塑性を示す(可変である)ことに依存しているという思想が、本書の基調となっています。最後に、このような記憶の分子生物学および認知神経科学から、現代の高齢化社会における大きな課題である記憶能力の障害、つまりアルツハイマー病のような認知症の克服に向けて、どのような寄与ができるかを展望しています。
第6章 陳述記憶のためのシナプスにおける貯蔵メカニズム
第7章 短期記憶から長期記憶へ
第8章 プライミング、知覚学習そして情動学習
第9章 技能、習慣および条件づけのための記憶
第10章 記憶と個性の生物学的基礎
エリック.R・カンデル[エリック.R カンデル]
著・文・その他
ラリー.R・スクワイア[ラリー.R スクワイア]
著・文・その他
小西 史朗[コニシ シロウ]
監修
桐野 豊[キリノ ユタカ]
監修
内容説明
短期記憶はどのように長期記憶へ移行されるのか?意識した記憶、短期記憶と長期記憶、学習と分子機構の関係から記憶の本質に迫る。
目次
第6章 陳述記憶のためのシナプスにおける貯蔵メカニズム(陳述記憶の貯蔵;人工的なシナプス調整 ほか)
第7章 短期記憶から長期記憶へ(習うより慣れろ;記憶固定のスイッチ ほか)
第8章 プライミング、知覚学習そして情動学習(プライミング;知覚学習 ほか)
第9章 技能、習慣および条件づけのための記憶(運動技能;習慣の学習 ほか)
第10章 記憶と個性の生物学的基礎(個性の生物学的基礎;経験を通じた脳の改変 ほか)
著者等紹介
スクワイア,ラリー・R.[スクワイア,ラリーR.] [Squire,Larry R.]
カリフォルニア大学医学部サンディエゴ校教授。専攻は精神医学・神経科学・心理学。米国科学アカデミー会員。米国心理学協会の科学貢献賞はじめ多数の受賞
カンデル,エリック・R.[カンデル,エリックR.] [Kandel,Eric R.]
コロンビア大学神経生物学行動センターを創設し現在も同大教授。ハワード・ヒューズ医学研究所上級研究員、米国科学アカデミー会員。ノーベル生理学・医学賞はじめ多数の受賞
小西史朗[コニシシロウ]
1944年生まれ。東京医科歯科大学医学部講師、早稲田大学教授などを経て、徳島文理大学香川薬学部教授・神経科学研究所所長
桐野豊[キリノユタカ]
1944年生まれ。九州大学教授、東京大学教授、東京大学薬学部長、東京大学理事・副学長を経て、徳島文理大学学長・香川薬学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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