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内容説明
古くから日本の食卓で愛されてきたイカの消費量は、サケやマグロに匹敵する。そもそも「イカ」の語源をたどれば、「食べ物そのもの」を意味しているという。トビウオのように海面上を飛ぶイカもいれば、体色の七変化が熱烈に求愛するイカもいる。さまざまなイカの魅力的な生態を余すところなく伝える“イカ学入門書”。
目次
第1章 イカと日本人
第2章 イカの設計図
第3章 イカの超能力
第4章 イカの愛と性
第5章 イカの暮らし
第6章 イカの過去・現在・未来
付章1 日本イカ学の系譜
付章2 イカの分類表
著者等紹介
奥谷喬司[オクタニタカシ]
1931年福岡県生まれ。東京水産大学増殖学科卒業。理学博士。東京水産大学名誉教授。水産庁東海区水産研究所を経て、国立科学博物館動物研究部研究室長などを歴任。現在は海洋研究開発機構の特任上席研究員として、イカをはじめとする海洋生物の研究を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
417
著者はイカの専門家。おそらくはイカに関しては世界的権威のお一人。本書は、そんな著者が「はじめに」で「オール・アバウト・イカ」と言うように、およそイカに関して様々な角度から素人向きに語ったもの。タイトルにある「イカはしゃべる」というのは、イカが体色や模様を瞬時に変化させることで互いにコミュニケーションをとる、そんなイカの能力のことである。私が一番興味を魅かれたのは「イカの愛と性」の章。オスのイカが交接の際に、そのためだけに特化した腕で、そっとメスに精包を渡すのである。交接のポーズの絵は、とても微笑ましい。2021/07/20
kaizen@名古屋de朝活読書会
84
言われてみれば、イカが海から浮上した映像を見たことがあるような気がします。 イカが神経機能の実験に使われている研究室を訪問したこともあります。 それ以上の知識がなかったので、本書は「イカ」について再考するのに役立ちました。 おいしくいただくだけでなく、感謝とともに、理解を深めたいと思いました。2009/09/18
アナーキー靴下
78
雨続きとはいえ不快な蒸し暑さ、涼を求めて、お気に入りの方のレビューで気になっていた本書を。想像以上に面白かった! 日本におけるイカの地位や、世界的なイカ資源、漁獲量の変遷、活用方法の模索、といった部分までフォローしつつ、大半を占めるのはイカの生態。これがどこをとっても面白く興味深い。ただあまりに情報が豊富過ぎて覚えきれない(もちろん今まで覚えきれた本なんてないけど…)。楽しく優しく不要なところが何もないイカ学入門書、論旨から外れた身近な面白エピソードでさえ全部うまい。イカの世界はどこまでも広く深いなあ…。2022/07/17
たまきら
35
「青い目でなくても食べてるわ~い!」とかツッコミつつ、水産資源としての可能性から生態まですみずみまで楽しく読みました。「夫が寿司ネタ専門のお店で働いているので、スミイカをはじめ様々なイカが我が家にやってきます。かしこそうな目を光らせ、じんわり生きているかれらを美味しくいただいてます。そう、お付き合いが長くなって思うことなんですが、この動物はかなりハイスペックな生き物です。…美味しいしね。2021/09/01
Minamihama
17
イカの肝油を原料にした感温性の液晶、イカの神経をモデルにしたバイオコンピュータ、その後どうなったんだろう。 この本が2009年に出版されているので、現在を知りたいものだ。2022/08/11