短篇五芒星

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  • サイズ B6判/ページ数 187p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062179096
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

史上初! 五篇すべて芥川賞候補作! 怒り、悲しみ、喜び、涙する。ここに舞城文学のすべてがある。

「美しい馬の地」「アユの嫁」「四点リレー」「バーベル・ザ・バーバリアン」「あうだうだう」。綺羅星の如く輝く、五つの物語。デビュー当時の“文圧”はそのままに、透明感を増す、舞城ワールドの新ステージ!

衝動で動き出すだろ?動き出す以上、何か結果っつうか、答みたいなもんが欲しくなるだろ?その衝動にも何か意味付けしたくなるっつうか、まさか何にもないなんて思いたくないだろ?でもさ、そのまさかなんだよ。衝動に根拠とか理由とかないから。まったくのゼロからいきなりポンと生まれて人をぐいぐい動かしちゃうのが衝動ってもんだよ。そんなもんで動き続けてもまともな結果にも答えにも辿り着かないし、そもそもの意味も何もないんだ。人を迷わせる悪魔だよ。惑わせてるんじゃない、ドーン!と一発最初に背中を押すだけで実際に迷路にまで引きずり込むのがその衝動って糞だよ――「美しい馬の地」より

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今年もマイジョウの夏が来た!
真夏のMAIJO祭り2012

7月7日 「新潮8月号」掲載
「美味しいシャワーヘッド」
7月10日より 東京都現代美術館にて上映
映画「巨神兵東京に現わる」言葉担当
7月12日 芥川賞候補作
『短篇五芒星』単行本刊行
7月13日
『SPEEDBOY!』講談社文庫刊行
8月7日 「群像9月号」掲載
「私はあなたの瞳の林檎」
8月10日
『獣の樹』講談社文庫刊行
2012年 集英社j-BOOKSより
『ジョジョの奇妙な冒険』小説進行中

【著者紹介】
1973年福井県生まれ。
2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞してデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。
2004年「コールドスナップ」(トム・ジョーンズ/ファウスト2号)で翻訳小説を、2007年~2008年、東京都写真美術館で、書き下ろし小説「舞城小説粉吹雪」の創作過程をTypeTraceを使い記憶・再生する作品を展示。
2010年には書き下ろし原案を元に演劇版、映画版「NECK」を上演。
同時に、講談社ノベルスと電撃文庫のコラボレーション企画として、「魔界探偵 冥王星O」シリーズを、作家の乙一、秋田禎信、入間人間らと、覆面作家「越前魔太郎」の共通ペンネーム作品として共同執筆。
2012年夏、東京都現代美術館にて上映の映画「巨神兵東京に現わる」言葉担当。
『好き好き大好き超愛してる。』『ビッチマグネット』、そして『短篇五芒星』で、三度、芥川賞候補となる。
小説では、純文学、ミステリ、ライトノベル、そして、漫画、漫画原作、映像作品などジャンルに跨った幅広い活躍を見せている。

内容説明

史上初!五篇すべて芥川賞候補作!怒り、悲しみ、喜び、涙する。ここに舞城文学のすべてがある。

著者等紹介

舞城王太郎[マイジョウオウタロウ]
1973年、福井県生まれ。2001年、『煙か土か食い物Smoke,Soil or Sacrifices』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。2003年、『阿修羅ガール』で三島由紀夫賞を受賞。『好き好き大好き超愛してる。』『ビッチマグネット』、そして『短篇五芒星』で、三度、芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

179
唯一無二。舞城王太郎の短編集。予想だにしない感性と展開。独特のテンポから繰り出される誰にも真似の出来ないストーリーに唸る。舞城王太郎の作品でも読みやすいと思う。短編五編。どの短編も好みである。「アユの嫁」の発想と読ませる力に感嘆する。「あうだうだう」の恐ろしさ。「美しい馬の地」での主人公の執着と展開の妙。舞城王太郎の世界は唯一無二であると思う。発想と独特のテンポが生む爽快感に私は一気に作品を読了してしまう。油断すると置いていかれる急展開は、繰り返し作品を読む楽しさと理解の深化を与えてくれる。他作も読もう。2018/03/16

てち

95
世界の理不尽にどう対処するかという問いが本作のテーマである。私は「美しい馬の地が」が印象に残った。流産に怒りの気持ちを抱き、必要以上に妄執している主人公。次第に彼は周りの人間とズレ始める。 人のために何かをしたいと思ってしたことも、他者から見たら自己満足にすぎないのかもしれない。2021/08/24

風眠

88
『美しい馬の地』『アユの嫁』『四点リレー』『バーベル・ザ・バーバリアン』そして『あうだうだう』という五篇の短篇集。どの話もバラバラで、一つ一つ独立した物語のようであるが、そのどれもが「衝動」という線でつながっているようにも思う。魔術的な意味では「人間」を表しているといわれる五芒星。人間の寂しさ、滑稽さ、凶暴さ、悪ふざけには、時に魔力を引き寄せてしまうエネルギーがあるのかもしれない。点から点へ衝動のままに、思わぬ方向に人生が進んでいるように見えて、実は一筆書きの線の上という読み方は、ひねくれ過ぎだろうか。2013/06/06

あも

72
美しい馬の地/アユの嫁/四点リレー/バーベル・ザ・バーバリアン/あうだうだう、の五芒星。単行本は発売日に購入、再読もしているが、重ねて文庫を購入。これは現代日本のフォークロアだ。舞城の言葉はいつどこで開いても、頭ではなく心だとか魂といった抽象的な概念でしか言い様のない場所にずんずんと遠慮も無く染み込んでくる。過剰な暴力も性描写も怪異も、その表裏にある生きること、愛することを際立たせるためのガジェットに過ぎない。だからその物語は時に脈絡さえ越えて、ぎゅっと心を掴むのだ。ある種の切実さと真摯さを持って。強く。2012/07/17

Akihiko @ VL

56
舞城王太郎さん初読。視聴率度外視のシュールなショートギャグアニメを観ているような感覚だった。最初から最後まで「こいつを面白いかそうじゃないかを決めるのはお前らじゃなくてこの俺だ」と筆者に胸倉を掴まれていた気がする。多様化したメタファーが多く用いられている為、読書慣れしていないとどんどん置いてけぼりを食らう寸法だ。個人的には三崎亜記さんのような作風だと想像していたのだが、こちらはかなり純文学に寄っている。同じ奇想天外でもまるで別次元の世界観だった。2018/03/14

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