ゼロの肖像―「トキワ荘」から生まれたアニメ会社の物語

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ゼロの肖像―「トキワ荘」から生まれたアニメ会社の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 196p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062175906
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0079

出版社内容情報

かつて、そこに「ゼロ」があった――。「虫プロ」「トキワ荘」に続くマンガ・アニメの梁山泊を描き、メディアミックスの起源に迫る!「やろうよ、漫画映画を」
 ふだんはもの静かな藤本弘が口火を切った。
「雑誌漫画とちがって、音や動きが加わるんだもんね」
 藤本の横顔を安孫子素雄がうなずきながら見た。
「でも大変なんだろ、漫画映画って」
 つのだじろうが他の四人の顔を心配そうに窺っている。
「個人じゃムリだ、会社を作らなきゃ」
 石森章太郎が決めつけるようにいった。
 鈴木伸一は彼らの提案をなかばうれしく思い、なかばとまどいながら聞いていた。
(本文より)

――「第二のトキワ荘」となった幻のアニメ・マンガ制作会社
「スタジオゼロ」初の評伝!
東映動画、TCJ、タツノコプロなどアニメ産業の草創期も活写!

「テレビアニメ黎明期の中に生まれ、
てんやわんやで作品を作りながら、
その時代の主役にはなりきれず使命を終えた『スタジオゼロ』。
私はこの会社が限りなく愛おしい」
(鈴木伸一)

藤子・F・不二雄『パーマン』
石ノ森章太郎『佐武と市捕物控』
藤子不二雄A『怪物くん』
赤塚不二夫『おそ松くん』

トキワ荘から飛び出した才能たちが、会社に集ってマンガをアニメを創った!

テレビアニメ草創期に東映動画、TCJ、タツノコプロと競い、
15分1本というスタイルに日本で初めて挑んで『オバケのQ太郎』を生んだ
「スタジオゼロ」。
その濃密な7年間の歴史、ここに初めて再現!

『オバケのQ太郎』
『おそ松くん』
『パーマン』
『怪物くん』
『レインボー戦隊ロビン』
『佐武と市捕物控』
アニメ産業草創期、モノクロームの名作に立ち合い、そして消えていった「ゼロ」の評伝!
序章 昭和二八年?昭和三六年
第一章 昭和三八年
第二章 昭和三九年
第三章 昭和四〇年
第四章 昭和四一年
第五章 昭和四二年
第六章 昭和四三年
第七章 昭和四四年


幸森 軍也[コウモリ イクヤ]
著・文・その他

鈴木 伸一[スズキ シンイチ]
著・文・その他/監修

内容説明

アニメファンの間で名前も存在も知られすぎるほど知られているにもかかわらず、まとまった文献が存在していない幻のアニメ制作会社、2013年に設立50周年を迎える「スタジオゼロ」。設立者のひとり鈴木伸一氏をはじめ、膨大なインタビューと調査により、初めて「ゼロ」の作ったもの、もたらしたものが明らかになる。マンガ史、アニメ史のミッシング・リンクを繋ぐ、野心的な「集団の評伝」。

目次

序章 昭和二八年~昭和三六年
第1章 昭和三八年
第2章 昭和三九年
第3章 昭和四〇年
第4章 昭和四一年
第5章 昭和四二年
第6章 昭和四三年
第7章 昭和四四年

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

15
トキワ荘の時代が何度もスポットライトを浴び、あれほど多くの記録や物語として描かれているにも関わらず、その続編とも言えるスタジオゼロの時代は、これまでなぜかスルーされてきた。幸森軍也 は、発掘するかのように、果敢にその時代を描き出そうとする。その意義はとても大きいと思うのだが、多くを語ろうとするあまり、スタジオゼロの歴史を追っかけるだけで、その中で起こったであろうドラマが伝わりきれないのは、どうにももどかしい。(つづく)2013/04/20

富士さん

3
人に歴史あり、会社に歴史あり。所詮個人作業の漫画家がアニメをやるのが無理だったんだよ、と片付けられていたスタジオゼロの歴史と仕事が、こんなにも魅力的で、しかもアニメ史上でもこんなに重要な位置を占めていたのかと驚きました。予想外のところで予想外の人がつながっているものなのですね。なんでもちゃんと調べてみるもんです。先入観に絡め取られた知ったかがどれだけ有害か思い知りました。特にマーチャンダイジングやメディアミックスへの本書の指摘はとても興味深く、ここからより広く研究を進めていけるような可能性を感じます。2015/01/14

メルセ・ひすい

2
時系列もくじ…序章 昭和28年~36年 第一章①昭和38年 ②39年 ③40年 ④41年 ⑤42年 ⑥43年 ⑦44年 漫画史 アニメ史のミッシング・リンクを繋ぐ、集団的評伝。 テレビアニメ草創期に、東映動画、TCJ、タツノコプロと競い、15分1本というスタイルに日本で初めて挑んで『オバケのQ太郎』を生んだ「ゼロ」。その濃密な7年間を、ここに初めて再現する。2013/02/09

kokada_jnet

2
漫画史とアニメ史の、いままで書かれてなかった隙間に、ピッタリはまる感じ。2013/01/20

ホッタタカシ

2
藤子不二雄、石森章太郎、つのだじろうらが集まって作ったアニメ制作会社スタジオゼロの歴史を追う。しかし二十代を四畳半のトキワ荘で切磋琢磨して過ごした青年たちが、三十になる頃には共同でアニメ制作会社を起ち上げ、資本金も赤字補填額も自腹を切りつつ経営していた、というのは昔の人は「成熟」が早かったんだなぁ、と思う(もちろん彼らの才能ゆえだが)。『鉄腕アトム』放送開始と同じ年に設立という、行動の腰の軽さにも驚嘆する。アニメ会社としては急成長しすぎて動けなくなったが、参加した漫画家は生涯の代表作をモノにしたのである。2012/11/10

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