内容説明
誰も待つ人のない故郷で、就いた仕事は「ノーブル交通」の運転手。“貴族風”の制服に身を包み、低スピードで走る。この市の地理は知ってる。が、郷愁は、ない。「何もかもが嫌だ」四十男が遁走した先は、急行で40分のビミョーな郊外。第139回芥川賞候補作。
著者等紹介
岡崎祥久[オカザキヨシヒサ]
1968年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1997年に『秒速10センチの越冬』で第40回群像新人文学賞を受賞しデビュー。その後、『楽天屋』で第22回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よる
4
タイトルからして四次元的な話になるかと思ったら違った。/身寄りのない中年の男が、寮付きが目当てでタクシードライバーになる所から物語は始まる。男が務める会社が〈ノーブル交通〉で服装から車種から拘りが多くて、何もかもぼんやりとした雰囲気の中異彩を放っていた。なにかドラマチックな事が起こる訳でもないけれども読後感の良い作品でした。2015/01/23
Kento Isikumada
3
日々は続く。コミカルに。2017/09/19
きのこ
3
淡々としてて物語りに起伏がないんだけど、嫌な感じはしませんでした。 白いフリルのシャツと、青いビロード風の上着を着て、低速度で走行、 お客様のためにドアを開けてくれるタクシー。いいですねぇ。 五十円玉のような男、にわか発明家の勝俣が好きです。 何かが始まりそうで始まらない。 残念ながら印象に残る作品ではなかったけど、読後感は悪くなかったです。2009/11/18
ツカモトカネユキ
2
2008年刊行。芥川賞候補作。私小説のような感じがしますが、そうではないとのこと。都市部での生活から変化を求める主人公が、近隣の郷里に戻り生活を見つめなおす件からスタート。ほぼ何もない状態から地元の特徴あるタクシー会社に就きます。ほのぼのとしていますが、やるせなさが全体に漂います。冒頭にある説明の飛びぬけないことが一般的・平凡的と捉えて、これを世間一般的とするのであれば、暗い気持ちになります。到底明るい未来がみられないけれど納得させられてしまう部分に物悲しさを感じました。2022/02/21
isbm
2
★★☆2021/01/13
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