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網野善彦を継ぐ。

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  • サイズ B6判/ページ数 130p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062124539
  • NDC分類 210.01
  • Cコード C0021

出版社内容情報

その鍛えられた鋼のバトンを
「歴史は自分が語りたかったことを語り損なう」という視点から日本人の野性・欲望をつかみ出す作業に邁進した歴史学者・網野善彦の力わざから何を受け継ぐか、2人の思想家が決意を語る。

中沢「彼が人生としてきた仕事をとおして、破壊したり、創造したとても大きなものを、ぼくらがどうやって自分のなかに飲み込み、自分たちがつぎの時代に向けて何をなしうるのか」
赤坂「済州島や珍島を訪ねて、いろいろなものがすでに見えてきていて、おそらく網野史学というものを、そうした方向に向けて継承していくことができるんじゃないかなと」

<本書の内容>
●歴史の欲望を読み解く網野史学
●北へ、南へ、朝鮮半島へ広がる問題意識
●「天皇」という巨大な問題
●「東の歴史家」の意味
●何を受け継いでいくのか



中沢 新一[ナカザワ シンイチ]
著・文・その他

赤坂 憲雄[アカサカ ノリオ]
著・文・その他

内容説明

「歴史は自分が語りたかったことを語り損なう」という視点から日本人の野性・欲望をつかみ出す作業に邁進した歴史学者・網野善彦の力わざから何を受け継ぐか、二人の思想家が決意を語る。

目次

1 歴史の欲望を読み解く網野史学(知の制度の中に単独で立った人;網野善彦への歴史学界の反発 ほか)
2 北へ、南へ、朝鮮半島へ広がる問題意識(民俗学へ、朝鮮半島へ;民俗学の欲望はどこへ行ったのか ほか)
3 「天皇」という巨大な問題(天皇という存在の深さ;天皇は山川草木すべてを支配する? ほか)
4 「東の歴史家」の意味(山梨という風土;西の歴史家と東の歴史家 ほか)
5 何を受け継いでいくのか(単独者の跡を追って)

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、中央大学教授。宗教学者、思想家

赤坂憲雄[アカサカノリオ]
1953年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。現在、東北芸術工科大学教授。東北文化研究センター所長。民俗学者、思想家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

市井吉平

4
■2004年に歴史学者網野善彦氏が亡くなれてからほどなくしてされた人類学者・哲学者?の中沢新一氏と民俗学者の赤坂憲雄氏による対談。網野善彦氏が取り組んだことを引き継ごうという対談。 ■印象に残ったのは、網野善彦氏が民俗学の知見も取り入れながら日本社会の歴史というか成り立ちみたいなものを深いところから探ろうとしたようだということ。 ■今、網野氏の著書にも少し手を伸ばし始めているが、その世界に触れてみたい。2021/08/04

Basie

3
「網野史学」と言う歴史学の探求を提示した網野善彦氏。その甥の中沢新一氏、民俗学者の赤沢憲雄氏による網野史学の継承を語らう対談。「蒙古襲来」や「無縁·公界·楽」など歴史学に新機軸を打ち立てるも必ずしもそれが歴史学に歓迎されるものでなかった。むしろ孤高の論説であったが、しかしそれらは柳田国男や折口信夫らの民俗学に通低するもので、そこに見えて来るものは人間の自由と言うものだと。網野史学の奥深さを痛感、あらためて網野氏の著書を紐解く機会になりました。2025/02/03

宮崎太郎(たろう屋)

2
互いに孤独な歴史学者と民俗学者だという二人が師のようにその考えに触れていた網野善彦さんを継いでいくという意志のもと語り合った対談。歴史学と民俗学をかけ合わせるあり方がとても自然に思えました。朝鮮半島から見えるものが歴史学と民俗学をより広げていく可能性があるというのが楽しみ。2022/08/02

スワダ

2
「網野史学」とは、現実化しなかった歴史、語り損なった欲望を実証しようという試みだったという指摘が面白かった。それはそもそも歴史学的な自己矛盾を孕んでいる。しかし、歴史学と民俗学をつなぐ、異形の学問としてこの先も残るのではないかと語られている点も興味深かった。注意深く読む必要はあるだろうが、民俗学の本と平行させながら、網野の本を読んでいきたいと思う。2019/03/12

静かな生活

2
網野善彦のアカデミズムからの冷遇っぷりに驚く。歴史学というには、歴史用語が少ない。網野以降の歴史学には民俗学の勉強が思った以上に必要らしい。2018/12/02

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