内容説明
愛は、極めねばなりません。極めたら、死なねばなりません。山本周五郎賞作家がおくる、戦慄と至福の書下ろし傑作長篇。
著者等紹介
中山可穂[ナカヤマカホ]
1960年生まれ。早稲田大学教育学部英文科卒。1993年『猫背の王子』で作家デビュー。1995年『天使の骨』で朝日新人文学賞を、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。『花伽藍』は直木賞候補となる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
34
文庫読了は数年がかりになり序盤の記憶が曖昧だったので、図書館から単行本を借りて通し読み。しかしエネルギー消費のかなり激しい小説だな。そして、広瀬マオちゃんの扱いがかわいそう過ぎ。2012/03/05
あおでん@やさどく管理人
28
自身はほとんど登場しないが、泉の夫であり絢彦の恩師でもある薫風先生の存在に底知れないものを感じる。泉の夫が先生でさえなければ、と何度思ったことだろう。熱情はいつしか冷めてしまうのが世の常だが、絢彦と泉の身を焦がすほどの狂おしい愛は、一生続いてしまうのではと思わせるものがあった。最後の場面、絢彦が心の中で呼びかけた5音。これほどの密度で思いが込められた言葉を、今まで見たことはない。2022/01/17
黒まる
15
マラケシュの喧騒が忘れられなくて、描写を読むだけで、あの時の雰囲気が蘇りました。いちいちめんどくさい人が多かったけど、あの人混みと匂いはやっぱり大好きなのです。でも、怖いひとはたしかに多かった(笑)2013/11/07
ヴェネツィア
11
著者の名前も知らなかったのだが、タイトルに魅かれて購入。レスビアン・ラヴを描いた作品。ただ、主人公が最愛の泉に向ける愛でさえ、今一つ深まりには欠け、表層的な感が否めない。まして、アイに至っては途中で投げ出される始末だ。一方、愛の刹那性は伝わり、タンジェやマラケシュといった風土感とはよくマッチしているだろう。2012/03/13
神尾@図書館でバイト中
10
何年かぶりの再読。読んでいて苦しくなるのに、身体なんてすべて擲って愛にひた走る絢彦に会いたくなる不思議。見つめあった瞬間に、どうしようもなく目の前の相手を欲しくてたまらなくなってしまうほどの想いって、どんなにか苦しくって甘露なんだろう。死に絶えたひまわり畑で求め合う絢彦と泉の光景が苦しいほど脳裏に焼き付いて離れない。マラケシュという舞台もいい。なんといっても表紙の素晴らしさたるや。かんかん照りの大地と、乾いてどこまでも足を埋めさす砂漠の国。2013/11/20
-
- 電子書籍
- レビー小体型認知症 診療ハンドブック
-
- 和書
- 地獄から来た青年