マーシャとダーシャ―世界でいちばん孤独な姉妹

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マーシャとダーシャ―世界でいちばん孤独な姉妹

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062098748
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

内容説明

第二次世界大戦の余燼冷めやらぬモスクワに生まれた双子の姉妹。たった一つの障害が双子の運命に大きな翳を落とす―双子は「シャム双生児」だったのだ。活発で好奇心旺盛なマーシャ、おとなしくて勉強好きなダーシャ。一つの体を共有しながらも、二人は全く違う性格を持っていた。時にはいがみあい、そして時には手を取り合って、過酷な現実と闘いながら姉妹は成長していく。やがて恋や別れに揺れる思春期がやって来る。しかしその先に待ちうけていたのは、さらに苛烈な試練の日日だった…。人はなぜ生きるのか。命は本当に平等か。綺麗ごとではすまされない、人生の真実がここにある。深く熱い感動を呼ぶ、人生観を変えるノンフィクション。

目次

母(マーシャ)
アノーヒン教授(ダーシャ)
モスクワ義肢中央研究所(マーシャ)
ナージャおばさん(ダーシャ)
見せ物になるのはいやだ!(マーシャ)
ノヴォチェルカスキーの養護学校(ダーシャ)
ダーシャの恋(マーシャ)
つらい別れ(マーシャ)
モスクワ第二十老人ホーム(ダーシャ)
腐敗と倦怠(マーシャ)〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

20
5~20万出生あたり一組発生する結合双生児。シャム双生児とも呼ばれる。50年代のソ連に誕生した姉妹は、死んだことにされた。6歳までは歩行も教えられずに実験材料として生き、養護学校を卒業したら老人ホームで隔離された。建前上、障害者がいないソ連では、老人ホームが受入先。老人の罵詈雑言にさらされ、ウォッカ1本で見世物にされた。やっと再会を果たした母親との隔たりは埋まらず、二度捨てられる辛さを味わった。ペレストロイカを機に存在が明らかになり、自立の道を歩み始めるが、それは、恩人との別れや新たな試練となった。2014/01/05

ペルー

9
実際は2000年に読みました。読書記録が出てきたので追加。旧ソビエトってやっぱり恐ろしい国です。崩壊するのも納得。マーシャとダーシャ、体のこと以外はどうやら普通らしいけど、やはり過酷な境遇で性格も少しひねくれちゃうのは仕方ないのかな。愛情いっぱいに育ったというわけではないだろうし。今も(2000年当時)ロシアで暮らしていると思うけど、元気でいてほしい。広い世の中も見てほしい。

sasha

5
結合双生児という障害よりも、ソビエト連邦をいう国に生まれたことが彼女たちの最大の悲劇だったのかもしれない。異形の姿でも彼女たちにも人格はあり、知性もあるのだ。本書出版後の2003年にふたりはこの世を去った。分離手術を頑なに拒み、お互いを唯一の家族として。2013/05/09

ななっち

3
体が結合したシャム双生児という非常に稀有な運命に生まてしまった二人の女性の証言とともに、障がい者が旧ソ連でどのような待遇を受けたかのか、ということを非常に衝撃をもって読みました。2013/01/20

Arte

2
50年代にソ連で生まれたシャム双子の話。この時代のソ連に生まれたことが、最大の不幸な感じ。生後直後に、母親から引き離されて6才まで歩行も教えられずに実験材料。養護学校で成長するが、当時の障害者は学校卒業後は老人ホームに行くのが普通とか。体制にちょっと風穴が開いてドイツ旅行に招待され、その生活が忘れられなかったダーシャはアル中に。当然マーシャもアル中に。この本の発売数年後に、マーシャは突然心停止。ダーシャには深く眠っていると説明して、17時間後にダーシャ死亡。最後の対処だけはパターナリズムで良かったと思う。2012/03/04

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