薬子の京〈上〉

薬子の京〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 378p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062095020
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

桓武天皇、圧倒的な人間の迫力。「薬子の変」の藤原薬子。東宮を恋慕する母と娘との宿命、宮中の権謀。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kayak-gohan

40
平城上皇の愛人として嵯峨天皇に対するクーデターを指嗾したとされる藤原薬子の実像に迫る作品。巷間伝えられる悪女のイメージとは正反対に、人心を見抜く慧眼と強い母性愛が彼女の資質として描かれている。頼りない上皇や身内の男たちを支えながら、知恵を尽くして老獪、狡猾な者たちと渡り合っていくひたむきな生き様は読んでいてたいへん女性としての魅力を感じた。後編では、そんな彼女も皇位継承をめぐる宮廷内の野望と権謀術数の中で翻弄され悲劇に向かうと思われるが、シンパシーがますます深まりそうな予感がする。2013/09/15

ちゃいろ子

37
私の薬子のイメージは高岳親王航海記コミックス版の印象が強く。 妖艶な美女且つとても頭の良い聡明な人だったのでは、、と。なのでこの小説の存在を知り読みたくてたまらなかったがとても良い。読んで良かった! ベタベタとわかりやすい優しさではないが、愛情深い人、そしてその愛の深さが、、、 最期がわかっているだけに切ないが、、、 色々な作家たちが描く歴史上の人物たち、微妙に違っているのが楽しいです。2024/08/11

くっちゃ

8
平城天皇をたらしこみ実権を握った、悪女というイメージの強い藤原薬子。娘の夫と寝るなんてとんでもない!と桓武天皇からお叱りを受けたと習ったが、その解釈はあくまでも現代の価値観。男女の関係に関して今よりもおおらかだった当時。臣下が妻を差し出すのもそう珍しくもなく、通い婚が主流のため同時期に複数の男と関係を持つことも当たり前。薬子も安殿親王の妃、長子の母親としてではなく、藤原縄主の妻として安殿親王に譲られたとする考え方に目から鱗2017/11/05

しんすけ

7
20年ほど前だったか澁澤龍彦の『高丘親王航海記』を読んで以来気になっていたのが薬子だった。高丘親王は平城天皇の第一子であり在原業平の叔父でもある。いわゆる「薬子の変」で、父とともに皇位を剥奪されたことで膾炙された人でもある。澁澤龍彦の創作に高丘親王が薬子との甘い思い出に浸る箇所があるが、そのような薬子が悪女として名を高らしめているのが不可解でならなかった。本書の解釈は、王位継承争奪の争いに藤原式家の女であることで巻き混ざる得なかったというものである。たしかに納得できる解釈ではある。2018/01/27

チャック

4
悪女?薬子の生い立ちから桓武天皇の崩御まで。 母親の血の高貴さによって子供の将来が決まる。跡取りの男子より見目好い女児(入内)が望まれるなんて、ゾッとした。 人間?親戚関係がめちゃくちゃで混乱するも読み進んだ。感想は下巻を読んでから書きます。 しかし、薬子 現代的で頭よくて好きだ。 2023/09/13

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