講談社文芸文庫<br> ソロモンの歌・一本の木

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講談社文芸文庫
ソロモンの歌・一本の木

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984332
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

戦後音楽批評の開拓者である著者の詩・絵画・文学をめぐる随想集。表題作の他に中原中也や小林秀雄との交流録など12点を収録。青春期の中原中也や小林秀雄との邂逅。
クレーの絵の謎解き。音楽へのめざめ。
多彩な芸術随想12篇。

戦後日本の音楽批評をリードしてきた吉田秀和は、青春期に吉田一穂に私淑、中原中也との交遊や小林秀雄の影響を通してポエジーの精髄に触れた。音楽はもとより、文学や美術を論じた著作によって、豊饒なる批評精神を構築してきた著者が、幼児期から詩との出会いまでを綴り、その批評の原点を明かす表題作をはじめ珠玉の随想12篇を収録。巻末の荷風論は、日本近代の宿命を巡る鋭い洞察に満ちた文明論である。

大久保喬樹
戦前の東京下町ですごした子供の頃まだ明けやらぬ床の中で聞いた櫓太鼓の音から始まって、戦後欧米各地で接した前衛音楽まで、さまざまな音、また、さまざまな色や形、言葉や暮らしを吉田さんは経験し、それら経験の意味を考え、そうした作業を積み重ねてひとつの精神の秩序を築きあげていった。それが吉田さんにとっての批評ということだった。――<「解説」より>

I
中原中也のこと
小林秀雄
吉田一穂のこと
II
ソロモンの歌
私の「音楽学校」
音楽とわが青春
『ラインの乙女たちの歌』
III
一本の木
クレーの跡
失われし時をめぐって
チェーホフと現実
IV
荷風を読んで
著者から読者へ


吉田 秀和[ヨシダ ヒデカズ]
著・文・その他

大久保 喬樹[オオクボ タカキ]
解説

内容説明

戦後日本の音楽批評をリードしてきた吉田秀和は、青春期に吉田一穂に私淑、中原中也との交遊や小林秀雄の影響を通してポエジーの精髄に触れた。音楽はもとより、文学や美術を論じた著作によって、豊饒なる批評精神を構築してきた著者が、幼児期から詩との出会いまでを綴り、その批評の原点を明かす表題作をはじめ珠玉の随想十二篇を収録。巻末の荷風論は、日本近代の宿命を巡る鋭い洞察に満ちた文明論である。

目次

中原中也のこと
小林秀雄
吉田一穂のこと
ソロモンの歌
私の「音楽学校」
音楽とわが青春
『ラインの乙女たちの歌』
一本の木
クレーの跡
失われし時をめぐって
チェーホフと現実
荷風を読んで

著者等紹介

吉田秀和[ヨシダヒデカズ]
1913・9・23~。音楽評論家。東京日本橋生まれ。東京大学仏文科卒。現在、水戸芸術館館長。戦後、評論活動を始め『主題と変奏』(1953年)で指導的地位を確立。48年井口基成、斎藤秀雄らと「子供のための音楽教室」を創設し、後の桐朋学園音楽科設立に参加。75年『吉田秀和全集』(第1期全10巻)で大佛次郎賞(全集は2004年に全24巻完結)、「わが国における音楽批評の確立」で90年度朝日賞、『マネの肖像』で92年度読売文学賞受賞、96年文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケニオミ

10
日経夕刊でバイオリニストの庄司紗矢香嬢が紹介していた一冊です。「さまざまな芸術との出会いによって人生が深まっていくさまがわかる。」という一文に惹かれて読み始めましたが、言っていることがよく分からず、3分の2を過ぎたあたりでギブアップ宣言をしました。人生も終盤を迎え、これから「人生が深まっていくさま」を分かっても仕方がないという神からのお告げと解釈しました。2018/01/08

うた

8
音楽を言葉に置き直す吉田さんの思考の過程にすこしだけ寄り添うことができる本。ラインの乙女たちの歌や失われし時をめぐって、文学や絵画をぐるりと廻って、音楽に戻ってくる。2019/05/18

広瀬研究会

6
明治以降、日本人の生活には根差さない外来の思想、それも17世紀以降のあらゆるものが、ほとんど同時に雑然と輸入された。ということを考察する『荷風を読んで』が印象に残った。確かに現代でも、欧米発の政治や哲学、芸術を十分そしゃくできていないような気がするし、吉田さんの文章でもクラシックのことより相撲の話の方がすんなり頭に染み込んできますしね。(単に芸術とスポーツの違いかもしれませんが)2022/04/09

よみこ

3
読み終えると著者と音楽とのかかわりの原風景を思い描くことができる。西洋文明の受容、日本人にとっての音楽の価値など、このエッセイが書かれてから五十年近くたつ今日なお、同じようなことが問われていることに驚く。表題作『一本の木』を読み、自分ならどんな木を描くだろうかと考えた。やはり私も心の目ではなく、実際の目で見て上手く描こうとするのだろう。でも上手い下手のみにこだわるのでなく、心の目で見、心の耳で聴いて表現することが芸術活動の真髄なのだろう。そうできる人が芸術家なのだろう。そのことがストンと腑に落ちた。2017/08/30

sakase

1
吉田秀和先生の文学、美術エッセイ。中原中也、小林秀雄など いまや歴史上の人物との交流。2015/08/10

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