出版社内容情報
戦後音楽批評の開拓者である著者の詩・絵画・文学をめぐる随想集。表題作の他に中原中也や小林秀雄との交流録など12点を収録。青春期の中原中也や小林秀雄との邂逅。
クレーの絵の謎解き。音楽へのめざめ。
多彩な芸術随想12篇。
戦後日本の音楽批評をリードしてきた吉田秀和は、青春期に吉田一穂に私淑、中原中也との交遊や小林秀雄の影響を通してポエジーの精髄に触れた。音楽はもとより、文学や美術を論じた著作によって、豊饒なる批評精神を構築してきた著者が、幼児期から詩との出会いまでを綴り、その批評の原点を明かす表題作をはじめ珠玉の随想12篇を収録。巻末の荷風論は、日本近代の宿命を巡る鋭い洞察に満ちた文明論である。
大久保喬樹
戦前の東京下町ですごした子供の頃まだ明けやらぬ床の中で聞いた櫓太鼓の音から始まって、戦後欧米各地で接した前衛音楽まで、さまざまな音、また、さまざまな色や形、言葉や暮らしを吉田さんは経験し、それら経験の意味を考え、そうした作業を積み重ねてひとつの精神の秩序を築きあげていった。それが吉田さんにとっての批評ということだった。――<「解説」より>
I
中原中也のこと
小林秀雄
吉田一穂のこと
II
ソロモンの歌
私の「音楽学校」
音楽とわが青春
『ラインの乙女たちの歌』
III
一本の木
クレーの跡
失われし時をめぐって
チェーホフと現実
IV
荷風を読んで
著者から読者へ
吉田 秀和[ヨシダ ヒデカズ]
著・文・その他
大久保 喬樹[オオクボ タカキ]
解説
内容説明
戦後日本の音楽批評をリードしてきた吉田秀和は、青春期に吉田一穂に私淑、中原中也との交遊や小林秀雄の影響を通してポエジーの精髄に触れた。音楽はもとより、文学や美術を論じた著作によって、豊饒なる批評精神を構築してきた著者が、幼児期から詩との出会いまでを綴り、その批評の原点を明かす表題作をはじめ珠玉の随想十二篇を収録。巻末の荷風論は、日本近代の宿命を巡る鋭い洞察に満ちた文明論である。
目次
中原中也のこと
小林秀雄
吉田一穂のこと
ソロモンの歌
私の「音楽学校」
音楽とわが青春
『ラインの乙女たちの歌』
一本の木
クレーの跡
失われし時をめぐって
チェーホフと現実
荷風を読んで
著者等紹介
吉田秀和[ヨシダヒデカズ]
1913・9・23~。音楽評論家。東京日本橋生まれ。東京大学仏文科卒。現在、水戸芸術館館長。戦後、評論活動を始め『主題と変奏』(1953年)で指導的地位を確立。48年井口基成、斎藤秀雄らと「子供のための音楽教室」を創設し、後の桐朋学園音楽科設立に参加。75年『吉田秀和全集』(第1期全10巻)で大佛次郎賞(全集は2004年に全24巻完結)、「わが国における音楽批評の確立」で90年度朝日賞、『マネの肖像』で92年度読売文学賞受賞、96年文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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