講談社文芸文庫
世界漫遊随筆抄

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  • サイズ 文庫判/ページ数 251p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984288
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

内容説明

世界の激動を予感させる昭和初期、三年、十一年と二度の欧米旅行に発ち、十年には樺太、中国等を訪れた正宗白鳥。文豪の眼に世界はどう映ったのか…。名エッセイ「六十の手習い」「髑髏と酒場」「郷愁―伯林の宿」を含む二十一篇を精選。新興国アメリカとヨーロッパの比較、イタリア、フランスの芸術、スターリンのソ連、ヒトラーのドイツ、外地で出会う不思議な邦人のことなど、簡潔な文体で直截に印象を記す好随筆集。

目次

海外にてのある日ある夜(第一、二、五、六信)
寒いシカゴからナイヤガラ瀑布へ(抄)
海外にてのある日ある夜
巴里へ
伊太利見物
ロンドンにて
ベルリンより
帰路
六十の手習い
世界人〔ほか〕

著者等紹介

正宗白鳥[マサムネハクチョウ]
1879・3・3~1962・10・28。小説家。岡山県生まれ。東京専門学校(早大の前身)文学科卒。キリスト教に惹かれ受洗、内村鑑三に感化される。後に、棄教の態度を示すが、生涯、聖書を尊重した。1903年、読売新聞社に入社、7年間、美術、文芸、演劇の記事を担当、辛辣な批評で名を馳せる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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藤森かつき(Katsuki Fujimori)

26
正宗白鳥の誕生日に。先に解説を少し読んで、異国情緒が全く無い漫遊記って? と、興味深く思った。読んでみると、確かに、異国情緒とは、ちょっと違う感じかも。と。のんびりと、観光ではなく漫遊。昭和の初期に、割合年をとってから夫婦で1年かけて欧米を回る世界漫遊を、2度もしていることに驚く。言葉に不自由し、結構散々な目にも遭いながら、夫婦共、あまり日本に帰りたい、という感じではなさそうで。満州のある時代。情勢不安になりつつある世界を見て歩く中で、伯林の博物館でラファエルやボッチェリに心惹かれているのが印象的だった。2020/03/03

takemikaduchi

2
解説が良いので再読したくなる。「白鳥の価値と魅力とは、彼自身も含めて近代日本人を巻き込んだ文化の宿命についてだれよりも早くこれに気づき、だれよりもそれを鋭敏に観察し、それについて何の思い入れもせずに虚心坦懐に語ることが出来たというところにある。」2012/10/08

Minoru Kakegawa

1
正宗白鳥先生、初めて読みました。第二次世界大戦前の、スターリンのモスクワ、ヒットラーのドイツが特に興味深かった。白鳥先生の他の著作も読みたいと思ったけれど、こうやってどんどん読むべき本が溜まっていくんだよなあ……まあ、活字中毒者にとっては喜ばしいことかもしれませんが。2014/09/03

ぽて子

0
淡々とした文章だが味がある。この頃海外へ行こうと思ったら、ものすごいお金時間が必要だったんだろうな。異国で日本を恋しがる出稼ぎ人・移民がなんだか物悲しい。時代ですね。2011/12/10

0
正宗白鳥の気取りのない文章が、例えば太宰治が「如是我聞」で言う(否定的な意味で)「洋行者」とは違っていて、素朴でいい。その眼のよさは、逆説ではあるが、何ものをも見ていないからこそなのだろうとも思う。まあ、そんなどうでもよい言は置くとして、とても味わいがあっていい。永井荷風の『ふらんす物語』とかを何となく思い出した。2011/01/27

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