講談社文芸文庫<br> アブサロム、アブサロム!〈上〉

講談社文芸文庫
アブサロム、アブサロム!〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 343p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061976214
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

南北戦争が始まる頃、ヨクナパトーファ郡ジェファソンに飄然と現れた得体の知れない男トマス・サトペンは、インディアンから百平方マイルの土地を手に入れ、大いなる家系を創始するべく、町の商人コールドフィールドの娘と結婚する。サトペン家の興隆と崩壊を物語りつつ、アメリカ南部の過去と現在の宿命的な交わりを描いた迫力ある長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ

54
読むというより、沼地湿地帯を歩き呻吟するといった体。筆者の「ギネス記録にもなった」句読点の無しの長文に悩まされつつ、否応なく、ラクナパトーファ・サーガに踏み込んでいく。老女の語る 重苦しいサトペン一家。のし上がって行った時間。フォークナーが作った架空の設定とはいえ、南部ニューオリンズ、19世紀半ばが斯様な社会であったろう、白人黒人の拮抗する立ち位置がこういった体であったろう・・を徐々にジワ~っと感じていく。楽しいルンルン読書書ありーの、斯様な呻吟の読書ありーの・・大事だなと思えてきた(嫌な作家もいるけど)2024/11/04

fseigojp

21
南北戦争後の南部という重いテーマに真正面から取り組んだフォークナー 八月の光の後に読んでいるが、徐々にヨクナパトーファにはまり込んでいく2016/01/05

ドン•マルロー

16
フォークナーの作品は往々にして難解であるが、本作は比較的敷居が低く、幾分か理解しやすいように思われる。小説の舞台はむろん、架空の町ジェファソン。莫大な野望を抱えた正体不明の男サトペンに焦点を当てながら、アメリカ南北戦争後の一族の興隆と没落が、様々な登場人物たちの言葉によって回顧的に語られる。過剰な比喩とレトリックの応酬を駆使したほとんど改行のなされない文章は、まるで洪水のように読むものを圧倒する。だが、そこに違和感はいささかも感じられない。あの時代の南部の闇を描きだすには、必要な激流だったのだろう。2016/01/14

NAO

16
フォークナーの、南部アメリカの町ジェファソンを舞台とした作品群のひとつ。ここに語られるサトペンという人物は、遅れて生まれてきてしまった、南部アメリカを象徴するような人物だ。サトペンは、子ども時代に、広大な土地と黒人奴隷を多数所有する支配層を羨望の目で見ながら育ったのだろうか。それがすべてであるかのように思い込み、自分もそうなるべくジェファソンにやって来たサトペンは、南部の闇をすべて引き受けているような印象を受ける。2015/06/04

白黒豆黄昏ぞんび

15
暗すぎて謎すぎて読むのが楽しい読書とはいえませんでした。サトペンの無茶ぶりでみんなが不幸になったかのようだけど、誇りとか意地とか堅固に守り通しても残るのは墓石だけだなんて。過酷すぎる運命のレールに敷かれてしまったのだろうか。2014/11/24

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