内容説明
十二歳になったロッテンは、明るい性格でかしこい女の子。“未婚の母”のママといっしょに、裕福な家の使用人部屋でくらしています。その家のおじょうさまのマリオンと気が合ったロッテンは、“仲間”になりますが、ご主人の家族は複雑で気持ちもばらばら、幸せではないことに気づくのでした。そんなころ、ママに結婚話がもちあがり、母子はおたがいにすなおに話すことができなくなってきます。そして、夏の別荘で、すべての人たちが決心しなければならない大事件がおこったのです。小学上級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
6
ロッテンはとうとう自分の部屋を手に入れた。それは、ロッテン自身が一つの時代を通り過ぎ、次のステージに立ったということでもある。物語は開かれている。それぞれの前には、それぞれの(沢山の課題をかかえた)道がぼんやりと見えている感じ。でも清々しく見送れるのは、少女たち、なんとかここまでを自分の力で越えてきたからね。2021/06/21
gurisan
4
★★★★☆ 友達は親が選ぶもんじゃない。そして、自らが選んだ友達の中で、子どもは自分を知っていく。子どもには子どもの世界がある。そして秘密もある。言いたくないこともあるし、ウソをつかなきゃいけないときもある。それが子どもだ。大好きなシリーズの完結。ロッテンとマリオンに会えなくなるのは寂しいけど、たくましく、美しく、しなやかに成長していくことだろう。2009/07/19
ろばこ
3
完結。終わってしまった。ロッテンの成長や環境、みんな変わっていくね。少し寂しい気持ちもある。ロッテンのこれからをもっと読んでみたかったなあ。2015/01/01
こもも
3
面白かった。三巻、すべてが最高だった。ロッテンが美への憧れの象徴を卒業するところで、胸が一杯になった。すっかり、マリア・グリーぺのファンになりました。2010/10/21
つきと
2
見えているもの、見た目通りでないものと見えないもの、単純だったからこそ美しく見えたものが複雑さを増して美しさ以外の面を見せる。ロッテンのオルガへの信仰心が、オルガも地上の人間なんだと理解する事で変容する。同じようにヨイエとエルサの関係の見方も変わる。そんなふうに人は変わっていく。その人自身の経験、あるいは自分の見方によって。2010/12/24
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- 和書
- 生と死の『観音経』