出版社内容情報
島田 荘司[シマダ ソウジ]
著・文・その他
内容説明
人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。そして四日目、彼は地上二十メートルの電線上で死体となっていた。しかも黒い背広姿、両腕を大きく拡げ、正に空飛ぶポーズで。画家に何が起きたのか?名探偵御手洗潔が奇想の中で躍動する快作集。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
125
実は再読。「今」読み終わった感想としては、いささか荒唐無稽に過ぎる内容だなと認めざるを得なかった。しかし、「ある騎士の物語」のセンチメンタリズムは今なお健在だった事、「近況報告」の難解さは久方振りの頭脳労働を楽しめた事を付記しておこう。これは偽らざる感想なのだから。2009/01/14
勇波
124
タイトル通りまさに御手洗君が軽快なステップでダンスを踊るように鮮やかに謎を解いていく短編集になってます。特に「舞踏病」での常に先を行く頭脳と行動はダンスそのもの。。短編集だけど読み応えある一冊でした★2015/06/21
がたやぴん
118
短編とは言えは刊行順に読むべきでした。シリーズ5作目ぐらいかな。特に順番を無視してもネタバレはないが、石岡君の手記みたいな(近況報告)が4編目に書き下ろしで掲載。御手洗の1990年の様子がわかる。知識だけでなく、彼の思考の一端に触れるチャンスだ。馬車道の事務所兼住居の見取図がファンとして嬉しい。石岡君、窓無しの部屋なのねw。一編目はトリックと言うより仕掛けかな。二編目は安楽椅子っぽい。いかにも御手洗らしいのは三編目の(舞踏病)。石岡君の扱い方は勿論、刑事への言動、思考の飛躍。珍しく行動力も発揮する。2016/01/27
Ame
90
御手洗潔の奇人変人ぶりにはすでに免疫が出来たものの、人間離れした頭脳にはまだ驚かされてばかりだ。「山高帽のイカロス」と「舞踏病」ではよく知る東京の下町が舞台となって島田流大カラクリが繰り広げられているのに大興奮だった。精神医学のことは一般常識程度にしか知らない私だが、島田先生の巧みで自信満々な文章に「そうなのかー」と丸呑みしてしまいそうになる。ところで成人男性が同居するところまでは理解できるが、お気に入りのケーキ屋さんへ二人仲良く連れ立って行くのは「同居人」の範疇なのだろうか・・・?2015/12/10
ゆのん
87
御手洗潔シリーズ5作目。今回は短編。どの話しも面白かった。最後の『近況報告』だけイマイチ。細胞とか戦争とかちょっと私には難しかった。他の作品では相変わらずの御手洗潔の変人ぶりに思わず笑ってしまう。2018/06/15
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