出版社内容情報
龍の口が開くとき、事件は起こる! 祖国を滅亡させた国に身を寄せた少年少女たちの前に、龍の手によるとしか思えない不可解な事件が!?古代中国を舞台に気鋭の著者が描く、ミステリファンタジー!
内容説明
大陸の強大な王朝に侵略される小さな島国・朱論。巫女の宝樹は、幼馴染みの夏座丸たちと辛くも脱出するが、漂着した先は、皇帝の座を巡る陰謀渦巻く大陸の都だった。激動の運命に翻弄される彼らを待ち受けていたのは、“龍”が棲むといわれる宮城での不可解な事件。城内では、忽然と人が消え、動く筈のない彫刻の龍が天罰を下す。事件の謎に迫るとき、伝説の“龍”の真実が明らかに。歴史ミステリの気鋭が描く壮麗な謎。
著者等紹介
獅子宮敏彦[シシグウトシヒコ]
奈良県生まれ。龍谷大学卒業。2003年、「神国崩壊」で第10回創元推理短編賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sezmar
2
人間消失トリックと不可能犯罪の部分は凝ってる。事件を国の興亡と上手く組み合わせているがちょっと物足りない。 例えば「眼鏡」が登場するならガラスを加工する云々の技術レベルがあるわけだが、日本人がイメージする中国(三国志とか項羽と劉邦風)の世界観にあってない気がする。 一気にクライマックスに突入、これからどうなっても「探偵」の出番はなくなる気がする。と、するとトリックや殺人事件は必要ではなく王朝興亡をメインに据えたほうがもっと楽しめたかも?2011/04/14
ふじさん
2
古代中国風の架空王朝が舞台の歴史ミステリ。力作であることは伝わるし、大掛かりなトリックも悪くはないのだが、まるで漢文の書き下し文のような文体に小説的な楽しみが感じられず、自分には少し合わなかった。ジュブナイルとしての体裁を取っている割に、主要人物である少年少女のキャラ付けはかなり薄味。全編に亘って台詞は説明口調で、その上物語が進行してもそこにさほど人間的な成長が見られないとなると、ドラマとしてどこに面白さを求めれば良いのかわからなかった。あるいは続編が前提なのかも知れないが、これだけでは余りに物足りない。2011/04/13
wm_09
1
作者の目標の割にキャラクタが立っていないのが気になる。トリックもスケールは大きいが面白みは薄い。続編に期待、していいのかな…(稲)2011/05/20
ほにょこ
0
★★★面白いトリックがあったりはしましたが、謎解きの部分が浮いている感じ。登場人物にあまり魅力も感じられず、終わり方も中途半端。 2015/11/20
月華
0
図書館 一冊で完結かと思っていたら、続きものな雰囲気でした。内容は結構悲惨なわりには、登場人物の心情はあまり書かれていないので、さらっと流されてしまっている感じがしました。犠牲になった人を悼む場面もほとんどなく、謎解きをしていたり。逃げる時は人目を気にしないといけないと思うけれど、堂々と民族衣裳を着ているのに違和感がありました。危機感があまり伝わらないように思ってしまいました。2011/07/31