内容説明
人間の現実を、その可能性を含めて、全体的に見極めること、これを哲学の根本的な仕事と考える著者は、アリストテレス的なコスモスの体系とヘーゲルの歴史の体系を軸に、哲学史の中で人間がどのように考えられてきたかを探り、師・西田幾多郎の絶対無に対する自らの立場を明らかにする。三木清、務台理作らと同世代、京都学派哲学者の代表的著作。
目次
序論(人間存在への問い;史的概観;方法論的考察)
第1章 人間存在と自然(生物における個体と周界;人間の身体)
第2章 歴史(歴史の領域;行為と制度;学説史的考察;歴史的作用連関の様相)
第3章 自己(自己としての存在;自己の存在と自己意識;伝統と自己;孤独と愛)
第4章 西田哲学―伝統と哲学(前期―無の場所の自覚;後期―歴史的世界;回顧)
著者等紹介
三宅剛一[ミヤケゴウイチ]
1895年、岡山県生まれ。京都帝国大学哲学科卒業。西田幾多郎、田辺元の系列に属する京都学派の哲学者。東北大学教授、京都大学教授、学習院大学教授を歴任。1982年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ecriture
3
一般存在論ではなく人間存在論を。これは…フッサールの現象学から見て進化なのか退化なのか…。ちょいと苦手な一冊だった。2010/03/05
日系フサリア人
0
挫折しかけたが何とか読み切った。
i-miya
0
ヤーコブ・フォン・ユクスキュル 人間存在の意味 フォイエルバッハ キエルケゴール マルクス ヘーゲル シェリング フィヒテ 論明する ヒューム、カント ニーチェ的反世俗性 ハイデガー 西田哲学 第1章 人間存在と自然 A. 生物における個体と周界 アリストテレス、ライプニッツの体系 ベルグソンの哲学 一般存在論 ニコライ・ハルトマン 重層構造 ドルーシー ユクスキュル 生気論的である ワイツゼッカー ライプニッツ モナドロジー モナド メルロ=ポンティ ゴルトシュタインに言及 ホールデーン2008/04/20