内容説明
物質至上主義、科学技術万能主義を痛烈に批判した前著『スモールイズビューティフル』。その思想を更に敷衍した小論文を「リサージェンス」誌に発表したもののアンソロジーが本書である。地球環境に配慮し、人間の身の丈に合った、「精神性」のある経済政策を提唱して反響をよんだ、シューマッハー独特の経済論。新訳、文庫オリジナル。
目次
第1章 時代
第2章 経済学
第3章 仕事と余暇
第4章 工業
第5章 開発
第6章 都市と土地
第7章 霊性と非暴力
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
56
簡素と非暴力の仏教経済学。文化がないと、農業の質が高まらない。なので、文化経済学と農業経済学の相互補完が大切と私は思ってきた。文化が、開発の第一の原動力なので、開発経済学とも補完したい。内発的発展とともに、シューマッハーの今日的意義は高まっている。2023/08/01
Sanchai
6
仏教経済学や「人間の顔を持った技術」、「大量生産ではなく、大衆による生産を」「大プロジェクトよりも小プロジェクトを」「街のプロジェクトよりも村のプロジェクトを」「資本消費型のプロジェクトより労働使用型のプロジェクトを」「中間技術」といったあたりが自分にとっての重要キーワードだったかと。『スモールイズビューティフル』の方を相当熟読してあったので、今回は復習の意味合いが強かったが、仏教経済学については本書の方が紙面が割かれていて、わかりやすかったような気がする。2021/10/27
ごー
2
書いてあることすべてに線を引きたくなるほど、とてもいいことが書かれている。この本は『Resurgence』という雑誌に、1966年から1977年の間に掲載された文章をまとめたもの。大量生産大量廃棄の今こそ読まれるべき本だと思う。2019/05/26
キャベツ
1
開発学かなにかの講義で勧められて読みかけになっていた本。資本主義の限界や、それに伴う人口動態の歪みの弊害などについて説いた内容。労働ばかりではなく、この本に書かれているような主張も踏まえたバランスのとれた思考をするようにしたい。2018/11/03
Yasuaki Miyamoto
1
この本が書かれてから何十年も経ち、ようやく本に書かれていることを実践する事例が増えてきたように思います。しかし、根本的なところが解決していないのには愕然とします。2015/09/25