講談社現代新書<br> 夢診断

講談社現代新書
夢診断

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 214p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061456136
  • NDC分類 146.1

出版社内容情報

【内容紹介】
永遠の時間と無限の宇宙を駆けめぐる夢は人間の意識と無意識の対話といえよう。心の奥に沈むエモーションはひきだされ、よろこびやかなしみの感情はドラマとしてあざやかに定着する。本書はシャドウ、ペルソナ、アニマ、アニムス、太母、老賢人などユングの元型のイメージや集合無意識の考えを駆使しながら一人芝居としての夢をあざやかに診断していく。漱石の夢、更級日記の夢、未開部族の夢などとともにユング研究所以来の著者自身の夢ノートをてがかりに、暗く、抑圧された衝動の表現としてではない人生をより豊かにしていく夢の可能性を語る。

夢と遊んでみる――最近、ヨーガや禅などを好み、実践的な精神的修行の一つとして、夢に興味をもつ若い人たちが増えている。そして、マンダラや仙人や大女神の夢を見る人たちも多い。その結果として、インドやネパールに出かけたり、世界を駆けめぐる計画を立てる人もいる。それは若さと深くかかわる自我膨張の一つかもしれないということは知ってほしい。それでもなお、山に籠ったり、外国へ出かけたい人たちを、わたしはとめる気はない。なにごとも計算ずくめで、若さを失なった感動なき人々に比べれば、はるかにましだと思うからである。夢は考えだすと、やめられないほどおもしろい。ただ夢を考える時は、夢の世界に呑みこまれないように、しっかりとした自分をもってほしい。いつか、夢にそれこそ夢中になって、おかげで試験勉強に手がつかずに、落ちてしまったなどと文句をいっていた若ものもいたけれど、そこまでわたしは責任をもつ気はない。――本書より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

42
さまざまな夢をユング心理学的に解釈しようと試みたもの。フロイトとアドラーの対比、漱石の「夢十夜」の分析が読み物としても面白かった。2015/08/10

白義

14
ユングの元型論を中心に著者自らの夢や文学を分析することも交えながら夢の可能性を探っている。夢の中に現れる自分自身の影や、統合的な自己の姿など、入門書として書かれているがそこら辺はあまり系統的ではなく、漱石の夢十夜など文芸評論的な部分、随筆的な部分の方が面白い。自分自身の研究者キャリアのはじめの頃の夢を分析し、自分の体験も交えているのは体感的に把握しやすい。入門書というより、もともとユングの理論が好きな人が応用的にそれを楽しむために読む本という印象である。自分の夢も分析したくなる2015/04/25

たなしん

3
ユング派の精神分析についてはもやもやっとしかわからないし、そもそもどの概説書にも載っているような知識しか書かれていない気もする。単にエッセイ集として見れば結構面白い。ただ著者が紹介するエピソードがぐーっとユング派の理論のところまで下降してきて一つの文脈にカタルシスが生まれる、というような効果はあんまりない。著者の手持ちの情報量と書かれている情報量が不均衡な気がするよ。漱石の夢十夜の解釈にしても、夢診断が著者自身に齎した効用にしても、何かを受け取った経験なのはわかるけど、もう一歩欲しかった感があるなあ。2012/09/18

ヨンデル

2
昔読んだ本です、整理のため登録しています。2024/06/14

nekonon

0
アニマ、アニムスと言ったものが本当に普遍的なものなのか、ということにイマイチ懐疑的なので、やや距離感を持って読んだのだけど、著者が自身の夢に取り組み、そうすることで夢の内容が発展していき、ついには著者の生き方の指針ともなる経緯が書かれた箇所は興味深かった(少々うまく行きすぎな気もするけど)。なにより、そういう示唆に富んだ夢、神話的な夢を殆ど観たことがない(或いは覚えていない)ので、少し羨ましいなあ。 ところで神話を持たない文化ってあるのかな。あるとしたら、その人たちの観る夢はどんなものだろう。 2013/12/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/148230
  • ご注意事項

最近チェックした商品