出版社内容情報
命はめぐり、つながっていく――
かなしみの色は、どんな色? それは、夜明けまえの深いブルー。でも、やがて虹色に変わり、新しいいのちを生みだすのです。――<柳田邦男氏推薦!!>
最初に『いのちのふね』の絵を描いたのは、もう20年もまえのことです。それからずっと心の中にあり、夜明けまえの空や、青空の中、夕方の空、夜の闇の空に浮かぶ姿が見えました。どこから来て、どこに行くのか……ずっと、わかりませんでした。
いつか人は死に、残された周りの人は、その人の死を心の中で反芻し、生きていきます。
なぜ空を飛ぶ鳥や、鳥の巣を見るのが好きなのか、なぜ空に浮かぶ雲を見るのが好きなのか。きっと、この本が描きたかったからです。――<鈴木まもる>
※よみきかせ 3歳ごろから
ひとりよみ 6歳ごろから
鈴木 まもる[スズキ マモル]
著・文・その他
内容説明
別れの悲しみを希望に変える。命はめぐり、つながっていく。
著者等紹介
鈴木まもる[スズキマモル]
1952年、東京に生まれる。東京芸術大学中退。「黒ねこサンゴロウ」シリーズ(偕成社)で赤い鳥さし絵賞を、『ぼくの鳥の巣絵日記』(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。鳥の巣研究家としての著書があり、全国で鳥の巣展覧会を開催している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
98
テーマは『死』と『再生』、そして『希望』。白と青を基調にした『死』の描写は美しく、メルヘンチックに表現されています。『みんな』を乗せた船は高い空の上を穏やかに航海し、ゆっくりと苦しみを癒やします。何しろ時間はいくらでもあるから。姿は見えず、声は聞こえなくても、大切な人は確かに『そこ』にいて、いつかまた帰ってきます。絵本作家の傍ら『鳥の巣研究家』としても活動している鈴木まもるさん。随所に鳥のモチーフが登場します。2011年9月初版。2015/12/01
紫綺
89
輪廻転生。とても清々しいこころになれる、美しい絵本。2013/10/26
Rosemary*
58
いのちあるものが、亡くなって、また新しく生まれ変わっていく。優しい色調と、繊細な絵、雲のフワフワ感に心が温かくなる気がします。。穏やかな語り口も素敵な絵本です。2014/10/15
yomineko@ヴィタリにゃん
50
大切な命が守られるいのちのふね。私もいつか乗るのだろう。そして、、、2024/05/10
よこたん
45
“あなたの きもちも わかって いるから だいじょうぶ いままで ありがとう これからも げんきで いてねと おもって いるのです” そこから見えていますか? ふと見上げた空の上、ふわふわの雲の中に、こんな場所があったなら、逝ったものも残されたものも、きっと少しだけ嬉しくなれる。人も動物も、得た命には限りがある。みんな揃って、迎えに来たふねに乗り込み、雲の中で好きなことをして過ごし、思い出に浸る。そののち、またふねに乗り込み、行く先は…。優しい空の青色と雲の白色に包まれた。2018/05/12