出版社内容情報
竜造寺家から鍋島家への佐賀藩主交代は「お家乗っ取り」か「禅譲」か? 分家の多く存在する竜造寺家から、何故一家臣の鍋島家へ家督相続が許されたのか?秀吉、家康ら中央政権の九州支配への思惑も絡まった、佐賀大名交代の真実に迫る!
内容説明
竜造寺家から鍋島家への佐賀藩主交代は、“お家乗っ取り”か“禅譲”か?「葉隠」の名将・鍋島直茂と主君・竜造寺隆信との蜜月関係は、直茂を頼りにした竜造寺側の意向が強く、また直茂も期待に応える働きで、家臣団中での発言権も強まった。とはいえ、分家も多数存在する竜造寺家から、何故一家臣の鍋島家へ家督相続が許されたのか?秀吉、家康ら中央政権の九州支配への思惑も絡まった、佐賀大名交代の舞台裏に迫る。
著者等紹介
中西豪[ナカニシタケシ]
1962年、福岡県八幡市(現北九州市八幡東区)生まれ。九州大学文学部卒業、専攻は朝鮮史。在学中より壬辰戦争(所謂豊臣秀吉の朝鮮侵略戦争)の真実を解明せんと悪戦苦闘を続ける。その他の歴史研究分野は、東漢光武帝の中興事業から朝鮮戦争に亘り、その成果はシリーズ『歴史群像』各号への記事執筆に生かされている
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感想・レビュー
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災害大嫌い美少女・寺
18
以前読みかけていた続きを一気に読んだ。武将は漫画や小説で読むとヒロイックだが、こういう詳細な伝記で読むと厭な身分だと思う。あちら立てればこちらが立たぬ仕事。鍋島直茂の主家竜造寺との微妙な関係、慕っていた小早川隆景が直茂が独立大名になる事を阻んでしまっていた事実。有能ながら若干ついてない星の人に思える。竜造寺隆信が生きていたらこんな苦労はなかったのかも。あと、小西行長がこんな不誠実で厭な奴だとは。2013/09/04
BIN
7
鍋島直茂の伝記。竜造寺家含めてわかりやすく書かれていて面白く読めました。朝鮮出兵で主家竜造寺頼りなく、直茂頼みになったことが大きな契機だったように書かれてます。確かに朝鮮出兵なければ、秀吉がいかに優遇しようとも主家を第一に立て続けたかもしれない。せっかく主家をもり立てて来たのにそれを崩された想いに「お恨み状」にじみ出てますね。2020/11/28
きさらぎ
1
素直に面白かったです。直茂の本としてはなかなか肉声が伝わってこないもどかしさはありますが、それだけに「お恨み状」にはしみじみさせられます。筆者は鍋島にとても好意的と思われるので、もう少し類書を読んで比較してみたいです。2013/04/29