内容説明
ある日、鮎子の母親は犬のコマルとともに、とつぜん家を出てしまう。そんな母親に怒りを感じながらも、鮎子は、残された父親、弟の遙斗とともに、日々の生活を乗りこえる。どうして家を出てしまったのか、その理由をあきらかにするため、鮎子は母親に会いに、旅に出る!小学校中学年から。第24回さきがけ文学賞入選作品。
著者等紹介
中山聖子[ナカヤマセイコ]
1967年、山口県に生まれる。これまでに、ゆきのまち幻想文学賞、小川未明文学賞などを受賞。小川未明文学賞受賞作品『夏への帰り道』を加筆修正した『三人だけの山村留学』(学研)がデビュー作。『チョコミント』で、第24回さきがけ文学賞入選(さきがけ文学賞渡辺喜恵子基金・秋田魁新報社主催)。現在、山口県宇部市在住、2児の母
岡本順[オカモトジュン]
1962年、愛知県に生まれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ウクレレで歌う
4
べんり屋寺岡シリーズがおもしろかったので、この作品も読んでみた。すごくすごくよかった!!母親にも父親にも、それぞれに生きてきた歴史や喜びや苦しみがあって、そういうものを背負いながら家族を築いているのだと改めて思った。鮎子の気持ちにも共感するところが多くて、泣いた。もっと読まれてよい作品だと思う。2016/09/02
読書国の仮住まい
3
鮎子の母親はある日飼い犬のコマルを連れて家を出てしまう。 連絡はつき尾道にいてしばらくそこで暮らすという。 母親の勝手な振る舞いに憤りを抱えながら、家事や弟の世話をこなしていく。 季節は進み夏休み、隣のクラスの卓郎と顔を合わせる。 母が家にいないことを話すと何故会いに行かないのかと訊かれる。 鮎子は友達の陰口を聞いてから目立たないようにしてきた。 決心して尾道に向かう。 鮎子には亡くなってしまった姉がいて、それで母は鮎子たちを過剰に心配してきたのだ。 私らしい私のことが好き。それが勇気と自信をくれたんだ。2022/07/27
ゆうわか
2
わたしらしいわたしのことを、好きだと言ってくれた卓郎。そのことが、わたしに勇気と自信をくれたんだ。2017/10/31
ukulele o kikitai
2
この作者の作品の中では、『チョコミント』がいちばん好き。今どきの小学生の生活がリアルに描かれているし、登場人物それぞれが、とても魅力的で温かい。尾道の風景を思い浮かべながら読みました。2011/08/01