内容説明
皮膚の上でどのような美が展開し、いかなる想いがせめぎ合っているのだろうか。イレズミ・タトゥーについての日本初の学術論集。各地の事例を紹介しながら、それぞれの社会の文化、美学、歴史、政治を考察する。
目次
第1部 世界編(顔を横切る黒い帯―マルケサス諸島の文様の変容;ニュージーランド・マオリのタトゥー、タ・モコの復興;より善い人を生み出すイレズミ―タイのサックヤンにみる宗教性と暴力;「今」の楽しさと関係を刻む人々―カメルーン東南部の狩猟採集民バカのテレ)
第2部 日本編(ヴィクトリア朝イングランドにおける「芸術的な」日本のイレズミと商業戦略;沖縄のハジチ(針突)とその調査史―資料蓄積を活かすために
関係性としてのタトゥー―千葉市でヒップホップファッション・ストアを営む若者たち
「消えるタトゥー」はタトゥーごっこか―らしさとらしくなさをめぐって)
特別寄稿(イレズミと医学;私とシヌイェ)
著者等紹介
山本芳美[ヤマモトヨシミ]
都留文科大学・教授、文化人類学・イレズミほか身体文化研究
桑原牧子[クワハラマキコ]
金城学院大学・教授、文化人類学
津村文彦[ツムラフミヒコ]
名城大学・教授、文化人類学・東南アジア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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at@n
4
世界のさまざまなイレズミを知ることができて、身体と世界は思っていた以上にとても豊かなのだと思った。インドのイレズミについてのコラムがその地の日常世界の描写になっていて面白かった。研究の手引きや参考文献など初学者にとって役立つ情報が多いのもよい。2022/09/11
やっこ
0
身体はキャンバスであり、記憶装置 タトゥーはコミュニティへの帰属と離脱を示すシグナル 権力と抵抗の象徴としてのタトゥー イレズミ・タトゥーは、単なる装飾やファッションではなく、社会的・宗教的・政治的意味を帯びた「身体による世界認識」の手段2025/08/11