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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784048973229
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

穴に入ったら二度と元には戻れない。『蠅の王』『蜂工場』を超える恐るべき傑作。ソーラ・バーチ主演映画化、恐るべき心理サスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆのん

67
『穴』に閉じ込められた5人の高校生。読み始めは5人の名前の混同と時系列があちらこちらに飛ぶのとで非常に読み辛く感じた。が、我慢して読み続けていくうちに閉じ込められた5人の心理面の変化にヒリヒリしてくる。狭く暗く、食べ物、飲み物の無い状態の恐怖感が高まる。途中、安堵感を覚える記述もあるものの、最後の最後で新たな恐怖に突き落とされる。見事な心理ミステリー。912020/04/13

らぱん

51
「穴」その⑥ 5人は学校行事の旅行をサボって独自のサバイバルゲームを目論んだ。誰にも秘密で校内の穴(地下室)に籠る。三日経ったら開けてもらえるはずが…。 現在と過去を二種の異なる文体が行ったり来たりしながら、間に録音された声という第三の文体が入り込む。密室ものの心理劇で拙い筆運びと統制が取れていないような違和感があり、仕掛けだろうかとワクワクした。どんでん返しと言うよりちゃぶ台返しと言いたくなるような第四の文体の登場で謎はいっそう深まる。 読みようでは怖いサイコ・サスペンスで、けっこう面白かった。↓2020/01/25

くさてる

10
学校の片隅にある忘れられた地下室に「人生の真実を知る実験」として三日間過ごすことにした5人の高校生。けれど、期限が訪れた時に…というストーリー。お約束なところもあり、こちらを惑わす第三の語りもあり、と言う感じでそれなりにドキドキしながら読んでいたところ、まさかの落ちに拍子抜けしかかり、でもさらにそこをエピローグですくい投げされて目を廻してしまった。読んだ人の数だけ「本当はなにが起こったのか」という解釈がありそうな話で、面白かったです。2014/05/07

ウララ

4
『ソフィー』が面白かったので同じ作家のデビュー作を読む。こちらも「穴」に入っている過去の状態と、「穴」から出た後の現在が交互に語られる。それにプラスして第三者リサの独白もある。密室に閉じこめられた男女5人の描写に加え、5人の徐々に険悪になっていくやりとりを楽しむ小説かと思いきや、最後のエピローグで大どんでん返し! この小説の見方が180度変わった。5人を閉じこめたと思われるマーティとの心理戦や、その後マーティにつかまってしまうのでは?とドキドキしていた時が懐かしいほど、哀しい衝撃が最後にあった。2012/06/30

hiyo07

3
後書きにいかようにも解釈でき、幾らでも考えられる作品などとあったが、正直『どこが?』という思いだったのだが、なるほど、この作品は生きている、変化していく、読み手が幾らでも解釈を加えられる。考えたらなんか凄いな、この小説。作者の意図としての真実は何なのか?これだけの曖昧な作品を描けるだけの磐石な構想はあったはずなので、絶対的な真実はあるのだろうが、それが明かされることはないだろう。とすれば、この作品には読み手の数だけ『真実の体験』がある。2011/10/11

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