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蝶の舌

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  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784048970181
  • NDC分類 963
  • Cコード C0397

内容説明

輝くばかりの太陽、生い茂る緑の木々、そして人々の大らかな笑顔にあふれる大地。その一方で、時代の波に翻弄される少年の悲痛な叫びが、美しい大自然の中に響き渡る…。世界中に涙の嵐を巻き起こした物語。

著者等紹介

リバス,マヌエル[リバス,マヌエル][Rivas,Manuel]
1957年スペイン、ラ・コルーニャ生まれ。詩人として活動を始め、その後ジャーナリスト、エッセイストとしても活躍。ガリシア語で執筆した短篇集『Un millon de vacas』(89年)でスペイン批評家賞の最優秀賞に輝き、以来、同世代を代表する作家として目覚ましい活躍を続けている。ガリシア地方を描いた短篇集として95年に発表した『蝶の舌』(原題『愛よ、僕にどうしろと?』)は大絶賛、96年トレンテ・バレステル賞と97年スペイン国民文学賞最優秀賞に輝いた

野谷文昭[ノヤフミアキ]
1948年神奈川県生まれ。立教大学法学部教授。日本ボルヘス会会長。1970年代から現代ラテンアメリカ文学の研究・紹介に尽力、映画関係の翻訳・批評にも携わる。NHKスペイン語講座の講師もつとめるなど、あらゆる方面で活躍中

熊倉靖子[クマクラヤスコ]
清泉女子大学大学院修士課程修了。現在、東洋英和女学院大学、清泉女子大学非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

172
紹介されることのやや少ないスペイン現代文学。帯には同じスペイン語圏のガルシア・マルケスの讃「近年読んだ中でも最高の作品」。短篇、掌編を合せて16篇を収録する。タイトルといい内容といい表題作が傑出する。わずか26ページの作品なのだが、内包する世界は広い。それは、この小説がスペイン内戦を背負っているからだろう。著者のリバスは1957年生まれだから、直接この内戦を体験してはいないのだが、今に続くスペインの歴史に大きな影を落としているようだ。一方、この小説の最大の魅力は、全編を貫流し、繊細に彩る抒情性だ。2014/06/03

(C17H26O4)

78
描写が淡々としていて最初は情景をうまく浮かべられなかったが、映画を観たことがあるのを思い出し、映像が朧げに蘇って読む助けとなった。スペイン内戦が始まり捕らえられた共和派の人々に、「犯罪者!アカ!」と共和派と思われないよう、たとえ身内に向かってでさえも罵声を浴びせざるを得ない場面は胸が詰まった。モンチョ少年の大好きな先生に両親が叫ぶ場面、とりわけ父親がモンチョにも同様に叫ぶよう求める場面には…。「ヒキガエル!ティロノリンコ!イリス!」モンチョが呟いた言葉。ヒキガエル似の先生が教えてくれた鳥の名前、蝶の名前。2021/01/27

ちえ

47
昔観た映画、原作があると読友さんのレビューで知った。映画はこの本の初めの三編をミックスしたもので、正直、表題作以外の部分は記憶から抜けていた。読了後、三編を再読、その後映画を観る。最後、涙が止まらない…。<テレビ体験と語りの世界が作品の源泉になっている>というリバスの作品。どれもどこか暴力の匂いが漂いながら透明。ガルシア・マルケスが絶賛(特に「霧の中のサックス」)したという。3編以外「コウモリのために咲く白い花」「そこに独りで」「ミスターとアイアン・メイデン」「幸福の占い」等が心に残る。 2021/01/13

metoo

38
〈再再読〉映画『蝶の舌』を観て感動してすぐ買った原作。16編の短編の最初の3つの全く異なる話で映画は作られている。表紙の蝶の舌の「の」が渦巻きになっている。「蝶の舌は時計のぜんまいみたいに渦巻きになっていて、気に入った花が見つかると伸ばして蜜を吸う」とモンチョは先生に教えてもらう。どの短編も美しい文章と生き生きとした会話で綴られ示唆に富み、引き込まれる。そうだ、朗読してみよう♥️2014/05/31

こばまり

31
スペイン現代作家の短編集。蝉の脱け殻や川底の光る石、知らない国の硬貨などをしまっていた子供の頃の宝箱を思い出しました。フォークロア調ながら、突如出てきたロックミュージシャンの名前にドキリ。大ファンなもので。2014/07/02

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