内容説明
江戸時代、四つしかなかった「宮家」は、明治以降、増加の一途をたどった。その背後には、明治天皇の皇位継承に対する深い不安があった。当初、「一代限り」の約束だった新皇族たちは、いかにして「宮家」を立てたのか。元勲たちの思惑、既得権を手にした皇族たちとの駆け引きを検証しながら、皇族制度誕生から消滅前夜まで、その姿を浮き彫りにする。
目次
1 皇族の作られ方(枢密院会議 伊藤博文の迷走;宮家新立 曲げられ続けた原則;皇室典範増補;降下準則騒ぎ)
2 皇族と軍隊(明治初期の皇族と軍と戦争;軍学校と皇族たち;海兵での高松宮宣仁親王;皇族たちの昇進と人事;戦場と皇族たち)
3 二人の皇族と事件(ドイツ女性との婚約;華族になった二人の少年;稔彦王帰国拒否事件;皇族総理大臣)
著者等紹介
浅見雅男[アサミマサオ]
1947(昭和22)年、東京生まれ。70年、慶應義塾大学経済学部卒業。出版社に入り、雑誌・書籍の編集に携わるかたわら日本近・現代史に興味を抱く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メロン泥棒
3
2008年刊。なぜ明治期に皇族が大幅に増えたのか?明治天皇は正妻との間には子宝に恵まれず、側室との間に作った10人以上の子供ほとんどが幼児のうちに死亡し皇族が途絶えることへの恐怖感があった。一方、皇室費を節約したい政府と既得権を守りたい皇族達。三者三葉の思惑の駆け引きが生々しい。また、陸軍に入った皇族は出世が早いのに、海軍では非皇族と同じくらいの出世の速さとか。軍隊での皇族の話も興味深かった。2010/10/05
そーだ
1
『華族誕生』と題名が通じているので何か関連があるのかと期待して読んだが、大してなかった。けど面白かった。伏見宮系の皇族に対する認識が少し変わった。2012/10/18
メルセ・ひすい
1
天皇家のゴシップ 本来4宮家。 伏見宮・桂宮・有栖川宮・閑院宮家⇒世襲親王家=四親王家2009/01/06
muko1610
0
★★★2009/02/17
Teo
0
大日本帝國における皇族の概観。わずか1冊でまとめているので限りがあるが、ざっと知るには良い。2008/10/04