山流し、さればこそ

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  • サイズ B6判/ページ数 326p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048735780
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

寛永年間のこと、小普請世話役として出世の道を歩み始めていたはずの矢木沢数馬は、突然、甲府への転出を命じられた。無為に過ごさねばならない甲府勤めは、通称「山流し」と呼ばれ、幕臣に忌避されている。同僚の讒言による左遷だった。家族と共に甲府に下った数馬は、商いで繁栄する城下とは裏腹に、荒んだ武士たちの姿を目にする。事なかれ主義の上役や、乱暴狼籍を働く勤番衆たち。早速「新参いじめ」に遭った数馬を救ったのは、謎の女、都万だった。一方で、商家を狙った不思議な盗賊騒ぎが頻発しており、数馬も事件に巻き込まれてゆく…。出世の道を閉ざされた数馬が選んだ、本当の人生とは。

著者等紹介

諸田玲子[モロタレイコ]
1954年、静岡市生まれ。上智大学文学部英文科卒業。外資系企業勤務を経て、翻訳・作家活動に入る。1996年、『眩惑』でデビュー。2003年、『其の一日』で第24回吉川英治文学新人賞を受賞。著書多数。新しい感覚の時代小説の書き手として、注目を集める
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ベルるるる

11
同僚にハメられて甲府勤番に左遷された男の話。武士としての矜持を失い、希望を失い、ゴロツキ同然の暮らしをしている者ばかりがいる甲府。そこに来た数馬もまた、屈辱と怒りを押さえられない。辛いエピソードばかりが続くのだけど、武陵という何か秘密を抱えた伊賀者の学者と知り合って、少しずつ心が静まっていく。結構、読んでても辛い話が続くから、最後の回想のシーンは、長年連れ添い、江戸からの左遷にも気丈にふるまって数馬を支えてきた妻と一緒にであってほしかったな~。2015/11/07

ケイプ

8
同僚の奸計により、甲府勤番に左遷された矢木沢数馬。出世の道が鎖されこれからどうしたらいいのか前に進めずにいた彼が、そんな逆境の中で真実の人生を見い出します。出来れば最後、思い出を語るシーンで隣にいるのは「妻」であって欲しかった。2015/11/02

天笑院たか姫

4
小普請世話役の矢木沢数馬は、同僚の奸計により、甲府勤番(山流し)を命じられる。甲府に家族と下った数馬は、荒んだ武士たちの姿を目にする。出世の道を閉ざされた数馬が自分の選んだ人生とは?最初は、何も見いだせずに腐っていた数馬は自然にふれ、妻や下僕や隣人の優しさにふれて、自分の居場所をみつけることができてよかった。本当の自分を見つめ直せる時間がたっぷりあることもよかったと思う。2016/05/19

沼田のに

4
これ面白い。怪しい奴がいっぱい出てきて誰が犯人か的を絞らせない。俺なんか正義の味方の武陵まで疑ってしまった。すさんだ甲府が立ち直って読後感もさわやか。8/102015/04/07

ひろたけ

2
前半ははらはら、後半はまあまあ、さらりとよめた。2014/01/05

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