漆黒の王子

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漆黒の王子

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  • サイズ B6判/ページ数 414p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048735698
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

砂の城の哀れな王に告ぐ。私の名はガネーシャ。王の側近と騎士達の命を握る者。要求はひとつ。彼ら全員の睡眠を私に差し出すこと。眠ったまま死に至る奇妙な連続殺人事件。ふたつの世界で謎が交錯する超本格ミステリ!第二十二回横溝正史ミステリ大賞受賞第一作。

著者等紹介

初野晴[ハツノセイ]
1973年静岡県出身。法政大学工学部卒。2001年に『しびとのうた』が横溝正史ミステリ大賞最終候補作となる。2002年には、『水の時計』で第22回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。ファンタジックな世界観とロジカルなトリックが魅力のミステリ作品を生み出している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちはや@灯れ松明の火

60
明けぬ夜の続く街、光射さぬ暗渠の中、星を失った者は更なる闇へと堕ちていく。踏み躙られ刻みつけられた痛み、誇りの一欠片まで搾り尽くそうとする悪意、どこまで心は耐えることができたろうか。虚ろを抱いた眼窩に赤が灯る、それは滴る血の色、冥府の炎の色。憤怒、憎悪、狂気、増えていく生傷が、汚れていく指先が、闇に溶けそうな生命を繋ぎ止める桎梏。消し去ることも洗い流すこともできない罪、廻る生命の連鎖と因果の応報、ただ、死に場所を探し求め彷徨うように。漆黒の夜空の帳に星が瞬き道を示す、二度と目覚めぬ永く安らかな眠りへと。 2012/05/27

そのぼん

59
摩訶不思議なお話・・・。やくざの世界で起こる怪死を巡る展開と、地下世界のようなところで暮らす人々の話が交互に綴られていきました。謎の事件を追っていくというよか、寒々とした空気感がなんたも言えない気分にさせられて印象的でした。ファンタジーっぽい感じがしました。2013/02/07

くろり - しろくろりちよ

31
ヤクザの抗争を「上の世界」、社会から外れ暗渠で生きる人たちを「下の世界」と分けて語られる物語。二つの世界のリンクが最後まで謎を残す作品。時系列、登場人物、そして何より表題にある「王子」とは。ガネーシャが描いた入墨同様、権力を望まず人間の頭蓋骨を被ろうとしている者が王子ならば、それは人間の社会に入ることを望まなかった者たち全員…紺野、高遠、そして暗渠に住む<王子>、全てが漆黒の王子であったと考えるのは些か強引だろうか。謎を読者に投げかけたまま終わるラストの余韻が凄い、ミステリーというより暗黒系ファンタジー。2012/08/30

藤月はな(灯れ松明の火)

31
(これは傲慢な感想です)上側の世界の残虐で傲慢な人間の性質や下側の世界の人から見ると幸せに見えがたく、しかし、本人からすると違うと言うような人々の姿や紺野と高遠のやってきたことは残虐でしかし、こちらの胸も悲しみで引き裂かれるような悲痛な痛みがあり、彼らの言葉1つ1つに私の人間への価値観を打ち砕かれながらもそれを簡単に否定できる資格は誰にもないことをまざまざと思い知らされました。どちらの立場から考えても遣り切れなさと悲しさで張り裂けそうになりました。2010/08/08

星群

24
うーん、なんだかなぁ。厳しめにいわせてもらうと、この本を読むなら、他の本を読めばよかったかな、と。2014/12/24

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