内容説明
九歳の少年にかけられた母親殺しの容疑。児童精神科医の伊緒は、少年の無罪を信じ、事件の解明に乗り出す。だが、彼女を待ち受けていたのは、想像もしない悲劇だった―。横溝正史賞受賞第一作。現役精神科医の著者が、悪の本質を暴いた驚愕のサスペンス・ミステリ。
著者等紹介
小笠原慧[オガサワラケイ]
1960年生まれ。香川県出身。東京大学哲学科中退。京都大学医学部卒業。現在、精神科医。2000年、『DZ』で第20回横溝正史賞正賞を受賞し、デビュー
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感想・レビュー
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ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
27
図書館本。子供が起こしたと思われる母親殺し、吸血鬼に襲われたかのように血を抜かれ殺される連続殺人事件、二年前に起こった異常な事件ーー。吸血する虫、怪しい昆虫業者、脳内の不明な腫瘍ーー。様々な事象が心理学的観点を主体に紐解かれていく医療サスペンス。なかなか様々な事件が繋がらなくて混乱しつつ読んだ。しかも犯人最後まで全然わからないし。かなり練られてたけど難しかったなあ。2015/11/08
多磨美清
3
自分も気付かぬうちに殺人鬼になってしまって止められない事態に陥る可能性もあるやもしれないと思わせるミステリーでした😨2025/05/25
Naomi Kikuchi
3
現代に現れた吸血鬼のような、血液を抜かれる殺人事件を追う刑事藪原、母親を殺した容疑の子どもが収容された児童福祉センターに勤める精神科医の伊緒。このふたりを軸にストーリーが進むミステリー。医学、生物学、心理学、児童発達心理学、昆虫、遺伝子etc。専門的な用語が並び難しいけれど、そこはまぁ流し読みしつつ。それでも謎は理解出来ます。猟奇的すぎる殺人がぞわぞわ。そうなったいきさつもぞわぞわ。真犯人も最後の方でもしかして…と思いはしたけれど、ぎりぎりまでわからず楽しめました。でも虫嫌いにはキツイです笑2017/08/16
Ai
2
猟奇殺人と虫が意外なところで結びつく。2019/02/04
あられ
2
岡田尊司・著『人格障害の時代』を読んで、小笠原慧・著『手のひらの蝶』を読んでみた。医者を生かしたストーリー。本当にこんな症状があるとは思えないが、それはフィクションだからいいし、物語をおもしろくしているので、肯定する。このひとが犯人だ、と思ったら、ひっくり返され、あ、こっちだったか、と思ったら、またひっくり返された。母親殺しの少年がどうなるのか、後日談を読んでみたい。2011/11/20