出版社内容情報
たった一つの小壺の行方が天下を動かす! 信長、秀吉、家康と持ち主の運命を左右する器の物語を始め、著者初めての歴史短編集。
つくも茄子は天下壺でござる
たった一つの小壺の行方が天下を動かす! 信長、秀吉、家康と持ち主の運命を左右する器の物語を始め、著者初めての歴史短編集。
内容説明
信長の命により息子の信康を自刃させてしまった家康。日々鬱々として過ごす家康は、ある日名案を思いつき、臣下の服部半蔵を安土城に派遣する。果たしてその結果は?表題作「安土城の幽霊」ほか、一つの小さな茶壷にまつわる天下取りの因縁を描いた「つくもなす物語」など著者初めての中篇歴史小説集。秀吉の秘技、家康の妄執、天下人たちの意外な素顔を巧みに描く本能寺三部作外伝。
著者等紹介
加藤廣[カトウヒロシ]
1930年東京生まれ。都立新宿高校から東京大学法学部に学び、54年に中小企業金融公庫に入庫し、京都支店長、本店調査部長などを歴任。山一證券に転じ、同経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師などを経て、中小企業やベンチャー企業のコンサルタントを務めるかたわら、ビジネス書の執筆や講演活動を行う。2005年に構想15年の書き下ろし長篇『信長の棺』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムトモ
99
加藤作の本能寺三部作のサイドストーリー集。大閤が信長様に仕える話、つくもなすのお話、安土城に出る幽霊のお話。著者の作品中でだし姫がかなりの美女だと描かれているが…桐谷お嬢が演じた印象が強いんで…まぁ少なくとも彼女くらいは美女だったのでしょうね…(ノ-_-)ノ~┻━┻このサイドストーリー集は面白かった〜〜2019/11/22
はつばあば
59
この本と諸田さんの「月に吐く」とどちらを先に読むか迷った。瀬名姫・築山殿と信康、家康を絡めた本を昔読んだが題名を忘れた為。めったにTVを見ない私が阿部サダヲさんの家康を見てたから、半蔵の父の評する「グズとしつこさ」に笑った。信長・秀吉・家康・・どの男にもこれという魅力がない。過去の天下人は幸せだったのだろうか。現在の天下人はどうだろう。こういう物語を私達は読んで人を知り、世間を知り・・知恵を得る。2018/01/20
もりやまたけよし
40
秀吉の出世譚、信長の夢遊病譚、今に伝わる出世壺譚の3つの短編ですが、謎解きの要素がちりばめられていて、心地よく読めました。無理な推理が無かったのが良いですね。2017/09/25
Makoto Yamamoto
30
2015年に読んだ「空白の桶狭間」以来の作品。本能寺三部作の外伝とのことで、興味深く読ませてもらった。 「藤吉郎放浪記」「安土城の幽霊」「つくもなす物語」の3編からなり、各々加藤廣の独自の見方が伝わってくる。 現存している茶器に関連する「つくもなす物語」が一番面白かった。2023/08/06
maito/まいと
29
信長の棺シリーズ番外編。秀吉・信長・そして家康それぞれに関する短編が収録されている。オススメはなんといっても家康編。もうこの短編(中編並みの長さだけど)を読んで、初めてこのシリーズが完成されるといっても過言ではない。足利将軍時代から続く、天下取りの壺が紡ぎ出す因果と、家康が晩年近くになって気付く、本能寺の変の秘密・・・ここまでこのシリーズを読んできた方々なら絶対に読んで欲しい作品だ。それにしても、半蔵がかわいそうなくらいに、家康に付き合わされすぎ(涙)2013/06/26