天然理科少年

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  • サイズ B6判/ページ数 162p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048730198
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

放浪癖のある父に連れられ転居をくりかえす岬は転校先の山間の中学校で不思議な少年・賢彦に出会った―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

90
不思議だけど有りそうで、少し切なくほろ苦い。鳩の栖 と同じ頃に書かれた物語は作者がなかなか離れられないと言う「意識、記憶、身体」をテーマを織り込んで幻想的である。父の記憶のなかの場所に入り込んだ少年が経験するのは、それは父の記憶そのもの。全てを察した時、自分の名前の由来を知る。友情とも同性に対する儚い恋ごころともとれるまめ彦の思い。長野まゆみさんのこんなお話はYAではもったいないようだ。2019/06/13

青蓮

53
久し振りに再読。放浪癖のある父に連れられて転居を繰り返す岬。転校先の山間の中学校で不思議な少年に出会う。過去と現在が交錯する幻想譚。美しく透き通った鉱石のような、瑞々しい文章と世界観は長野まゆみならでは。やはりこの時期の長野作品がとても好きです。装丁も凝っていてとても素晴らしい。本を所有することの楽しみも味わえます。読むたびに作品に登場する小道具が欲しいと思ってしまうのは私だけではないはず。檸檬水も飲んでみたいな。2014/08/10

モモ

38
結末に驚いた。ひとつの土地に落ち着くことのない父と各地を転々とする岬。珍しく父の生まれ故郷に住むことになる。さまよえる湖の伝説がある美しい山里での不思議な話。肺の病で入院していた少年が、もう一度みんなに会いたいという願いが見せた幻だったのだろうか。心にしみわたる話だった。2020/01/23

まさ

36
長野さん初読み。幻想的で美しい描写、透き通ったような端正な文章。たっぷりと浸りました。読んでいる途中もいろいろと感じるものがあったのだけど、最後に、理解してから寄せてくる感覚がこれまた良かった。ところどころで登場する道具たち―鬼胡桃の印鑑、硝子の笛…―もとても好み。長野さんの装画も!2020/02/12

麻衣

31
死者とのノスタルジア。かの銀河鉄道に乗ったかのような錯覚に、静かに、瞳に潮が満ちるように泣いてしまう。長野まゆみの紡ぐ邂逅は、指先の冷たさに比例してどうしてこんなに触れた言葉から青白く、燃え立つように温かいのだろう。2017/03/07

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