内容説明
著者はこれまで20以上の「ことわざ辞典」の類を著してきたが、最近気になることがある。それは、辞典・辞書から「こぼれる」ことわざが増えてきたことだ。本書は、『岩波ことわざ辞典』等を著した著者が、消えてしまうには惜しいことわざに再び命を吹き込むもの。言葉の成り立ち、使われた文学作品、時代背景などのうんちくを記しながら、ことわざを楽しく解説する。
目次
第1章 人生の道しるべ
第2章 人の浅はかなる姿
第3章 人と人との関係
第4章 人間とはこういうもの
第5章 世の中の仕組みと在りよう
第6章 事物・事象のたとえ
第7章 粋な洒落ことば
著者等紹介
時田昌瑞[トキタマサミズ]
1945年千葉県生まれ。早稲田大学文学部卒業。日本ことわざ文化学会理事。ことわざ研究のほか、いろはカルタ研究の第一人者として知られる。著した辞典・辞書は多数におよび、その多くを一人で執筆に当たっている。ライフワークとして古い文献からことわざを拾い集めているほか、ことわざにまつわる書物・物品を収集しており、明治大学図書館・博物館に「時田昌瑞ことわざコレクション」として収蔵されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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スケキヨ
18
「消えた」と書かれているだけあって、知らないものばかり。でも面白い。「軽い返事に重い尻」という分かりやすいものもあれば「川中には立てども人中に立たれず」という解説を読まないと意味がわからないものもあり「百人を殺さねば良医になれぬ」という怖いものもあれば「天も地も測ろうが量りがたいは人の心」と深いものもあり、「年寄りと古骨は抱えている程邪魔」という厳しいのもある。「心太の幽霊をこんにゃくの馬に乗せる」の意味“グニャグニャな様”には笑った。グニャグニャって言ったほうが早いがな。ことわざの意味はコメント欄で。2014/09/13
けんとまん1007
15
辞書から消えたということで、初めて目にしたものがほとんど。それでも、ある程度は意味するところがわかる。それぞれの解説を読むと、その時代や背景が少しはわかるような気がする。ただし、気がするだけ。一方で、これまでになかったものも、作り出されてきているんだとも思うし、それは時代とともにということなんだろう。先人の知恵が詰まっている。ストーレートな表現よりも、後でじわっと効いてくるような漢方薬のようでもある。2015/01/24
naotan
7
ことわざそのものが、日常生活であまり使われなくなったことに気付く。2015/07/21
Fumitaka
6
インパクト満点の「一人娘が妹を連れて井戸に飛び込んで焼け死ぬ」とか、思わず笑える言葉遊び系の「情けの酒より酒屋の酒」「出雲の神より恵比寿の紙(金銭)」「幽霊の手討ちでしがいがない(足がない幽霊を“手”討ちにして死骸=仕甲斐がない)」とか、五七五になっている「一文銭と親の仇は取りにくい」とか忘れがたい俚諺が満載されている。「憎い者は生けて見よ」は『後撰夷曲集』の「〜といふ事はいとしき君と死する故かも」がなんか谷崎潤一郎とかを思わせる。ただこれらの句が残らなかったのはやはり全体的に「長い」からだろうか。2022/07/05
ギルヲ
3
諺ってなにかしらの教訓があるようなイメージでしたが、テキヤの口上みたいなのも諺にふくまれることがわかって新鮮でした。驚いたのは『縁の下の力持ち』が最初、見えないところで力芸を披露するような無駄な行為のたとえだったこと。ヒドい言われような気がする(笑)。お気に入りは『心太の幽霊をこんにゃくの馬に乗せる』。意味が分からないどころか、ところてんの幽霊というのもこんにゃくの馬というのも何一つ理解出来ない。ムチャクチャすぎて大好き。2023/09/22
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