内容説明
勝った負けたと争ってみても、そんなものは些細な違いに過ぎない。小さなことにはとらわれないで、人間らしくのびのびと、あるがままに生きていこうではないか―。中国古典の中でも特異な魅力を放つ「老荘思想」。老子と荘子が説いた、いわば人間の本音の部分を代表する庶民の思想である。本書では、古代から現代までの人物と出来事を例にあげながら、代表的な36の名言を解説する。先を見通しにくい社会・経済状況の今こそ身につけるべき、老獪な生き方のヒントがここにある。
目次
序章 老子と荘子
第1章 処世篇―しぶとく生き抜くために(人と争わない;中段あたりにつけたい;「無用の用」を発見せよ ほか)
第2章 無為篇―主体的に生きるために(「無為」にして治まる;禁令ばかりふえると;「止足の戒め」 ほか)
第3章 人間篇―逆境を乗り切るために(「君子の交わり」;奥儀は伝えられない;柔よく剛を制す ほか)
著者等紹介
守屋洋[モリヤヒロシ]
1932年、宮城県生まれ。1960年、東京都立大学中国文学科修士課程修了。その後、現在まで中国文学者として著述、講演などで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
チョンジョの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒頭巾ちゃん
27
“無心、無欲、自然”その象徴が「水」であるとしています。老子は「慈・倹・先たらず」としています。目先の利益に奔走し、争う、奪い、性急な現代人には耳の痛い内容です!生き方は基本的には「受け身」です。苦境では、率先して動くのではなく、我慢して時が来るのを待つということです。興味深かったのは、「法律が多くなるほど悪い国」「先頭でも最後尾でもなく“真ん中”がいいのだ」。自然に身を任せ、欲張らずに大きく羽ばたいてほしいというのが筆者の願いです。そうありたいですが、物質社会がそれを止めます。日本が生きづらいですね。2013/10/21
hiyu
6
本書で登場する人物、どれか一つとっても当てはまるような気がして怖いわけではない思いにさせられる。しかし、折に触れてこの思いを触発させるだけでも意味があるような気はする。特に壁が高いときには。2017/11/01
フク
3
既成の固定概念にとらわれず、虚心に流動的な情勢に対処し、そこから目標や指針を引き出す2018/03/16
G
2
以前に東洋哲学の本を読んで,老荘思想に興味を持ったので,図書館から入手.老荘思想の「道」や「無為自然」について,もっと深く理解したかったのだけど,どちらかというと,老荘思想をベースにした,日常の生き方のハウツー本という感じ.老子・荘子の言葉と,それに関連しそうな各種有名人のエピソードを関連付けて紹介.しかしまぁ,老荘思想って,自己研鑽やら自己アピール超大事ーってな現代の風潮と逆行する思想やなぁと強く感じる.こういう風に生きられたら楽やろなぁ.とりあえず,ストレスフリーな生き方の参考にしようー.2019/05/14
ささやか@ケチャップマン
2
たまにこういうのを読むと落ち着く、というか我が身を振り返るきっかけになる。2011/08/10
-
- 洋書
- L'INVITATION