出版社内容情報
厳選した万葉歌を味読。日本人の叙情と死生観に迫る万葉挽歌研究の最前線!
『万葉集』に収められた「天智天皇挽歌群」を、一首一首丁寧に解説。亡き人を悼む挽歌の心に触れながら、日本人の死生観に迫る。気鋭の万葉学者が万葉研究の新しいスタンダードを打ち立てる、縦横無尽の万葉挽歌論。
内容説明
愛しき人の死。その面影への思慕を胸に万葉びとが作りあげた挽歌の世界とは。天智天皇の危篤・崩御・殯・埋葬を妻たちが歌った天智天皇挽歌群。その一首一首を丁寧な語彙解説と現代語訳で読みときながら、光を「影」と呼び、「夢」で亡き人と出会う万葉独特の世界観を解明。死者を悼む挽歌が、帝の寵愛の深さを競う「戦いの文学」の横顔をもつことを描きだす。古代学の冒険にして、古からの日本人の死生観にせまる画期的万葉論。
目次
第1章 天皇危篤、その時大后は
第2章 遊離魂を見たと歌うこと
第3章 天智天皇崩御、その時女たちは…
第4章 神と人、生者と死者
第5章 大御船のゆくえ
第6章 思い出のなかの大御船
第7章 船と鳥と恋歌
第8章 薬狩りの記憶を歌う挽歌
第9章 墓で泣くこと
著者等紹介
上野誠[ウエノマコト]
1960年、福岡県生まれ。国学院大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。奈良大学文学部教授。奈良県立万葉文化館万葉古代学研究所副所長。第十二回日本民俗学会研究奨励賞、第十五回上代文学会賞、第七回角川財団学芸賞受賞。万葉文化論の立場から歴史学・民俗学・考古学などの研究を応用した『万葉集』の新しい読み方を提案。近年執筆したオペラの脚本も好評を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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