内容説明
日本人の精神生活になぜ浄土仏教が大きな役割を果たしたのか。法然の主著『選択本願念仏集』を時代・環境・信心・共存のキー・ワードから読み解き、現代人にとっての宗教の必要性を考える。
目次
序章 中世という時代と法然の出現
第1章 新仏教「浄土宗」の樹立
第2章 新しい救済原理と方法
第3章 どのように「信じる」のか
第4章 「諸行」論
終章 ひとえに善導による
感想・レビュー
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ハルバルミチル
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人は煩悩を持つ。ゆえに、従来の仏教では煩悩を取り去るためにあれやこれやと努力をするのである。しかし、法然の説くところによれば凡夫から煩悩を取り去ることは困難である。だから、ひたすらに南無阿弥陀仏と唱えることで仏となるのである。浄土宗はまさに凡夫のための救済宗教である。/本書で引用されていた清沢満之の「信仰は主観的事実である」という言葉はなるほどである。神仏が存在するから信仰するのではない、信仰するから神仏が存在するのである。法然の言うところの「往生は、一定と思へば一定、不定と思えば不定なり」2016/11/12