出版社内容情報
従来の経済学では理論構築の前提として、人は、「超合理的にふるまう」、「超自制的にふるまう」、「超利己的にふるまう」、という「ホモエコノミカス=経済人」を仮定しています。しかしながら、実際の人間は必ずしも超合理的ではなく、ほどよく合理的で、ほどよく自制的で、ほどよく利己的な存在です。従来の経済学で見落とされていた生身の人間行動を心理学で解き明かし、伝統的な経済理論を拡張することによって新たな知見を見出そうというのが「行動経済学」です。
本書は4部で構成されています。
第1部では、行動経済学の基本的な考え方を説明するとともに、超合理的、超自制的、超利己的なホモエコノミカスが、現実の人の行動とどのように違うのかを、様々な例を用いて紹介します。
残りの3部は、学問としての行動経済学の潮流である(1)現象の描写、(2)メカニズムの説明と理論、(3)実社会への適用、にそれぞれ対応しています。
内容説明
東大で学ぶビジネス成功への近道。「現金値引き」と「ポイント付与」販促効果はどっちが大きい?!モノの売り方、賢い消費のノウハウ満載。
目次
第1部 行動経済学とは?(行動経済学への招待;あなたは超合理的にはふるまわない;あなたは超自制的にはふるまわない;あなたは超利己的にはふるまわない)
第2部 人の行動の癖を見極める:非合理的行動の描写(ヒューリスティックとバイアス;利用可能性ヒューリスティック;代表性ヒューリスティック;固着性ヒューリスティック;その他のバイアス;その他のヒューリスティック)
第3部 非合理的な人の行動の理由を知る:非合理的行動のメカニズム(情報処理のメカニズム;プロスペクト理論;金銭に関する態度メカニズム:心理会計;取引に関する態度:取引効用理論;非自制的な行動:選好の逆転;社会的選好)
第4部 行動経済学の応用(ナッジ;マーケティング;金融;経営・自己実現)
著者等紹介
阿部誠[アベマコト]
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授。1991年マサチューセッツ工科大学大学院博士号(Ph.D.)取得後、同年からイリノイ大学経営大学院助教授に就任。98年東京大学大学院経済学研究科助教授を経て、2004年より現職。ノーベル経済学賞受賞者との共著も含めて、マーケティング学術雑誌に英文、和文の論文を多数掲載。03年にJournal of Marketing Educationからアジア太平洋地域の大学のマーケティング研究者第1位に選ばれる。日本マーケティング・サイエンス学会の学会誌編集委員長を10年から8年間、21年からは代表理事を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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