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内容説明
「初めて仕事で人を殺したときのこと、覚えてるか?」。国際都市ミリオポリスの治安を守る、警察組織MPBの機械化された3人の少女、涼月・陽炎・夕霧。ある日、涼月は、初出撃時の記憶がないことに、あらためて疑問を抱く。彼女たちは、人殺しでトラウマを背負わぬよう、“人格改変プログラム”を適用されていた。あのとき、本当は何が起こったのか?クールでキュートでグロテスクな“死に至る悪ふざけ”(オイレンシュピーゲル)、核心に迫る第3幕。
著者等紹介
冲方丁[ウブカタトウ]
1977年生まれ。早稲田大学中退。在学中の1996年に「黒い季節」が第1回スニーカー大賞“金賞”を受賞しデビュー。その後「マルドゥック・スクランブル」で第24回日本SF大賞を受賞。以後、小説・コミック・ゲーム・アニメといったメディアを超えるエンタテインメントの多才な創り手として注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
37
再読。最終巻へ向けた下準備回。いやー、このジワジワ不安感が増していく展開が素晴らしいですな。スプライトとのリンク、3人の過去、レベル3の謎と伏線の張り方が絶妙にいやらしいわ。こんな伏線の張り方されたら続きが気になって仕方がありません。夕霧の恋模様は読んでいてハラハラするし、吹雪は爆弾落とすし、陽炎は相変わらず乙女すぎるしと三者三様の恋模様が今後どうなるのかも気になる所。最終巻も楽しみです。2015/05/12
いおむ
25
涼月が頑なに吹雪に対する感情を認めずそのために自ら振り回される構図が楽しく、大人びてはいるけどまだ純なところがある陽炎のドタバタ、今後の展開に大きく関わりなさそうな夕霧の切ないエピソード・・・全体を繋げつつ三人をより深く印象つける上手さに脱帽です!2017/07/30
マーム
20
彼女たちが簡単に人を殺めることができることに違和感を覚えていましたが、そこはスルーするところなのかなと思いつつ読んでいました。でも、さすが冲方丁、答えを用意していました。それが「人格改変プログラム」。トラウマを背負うことを避けるためこれが適用されていて、その副作用で消えていた3人の一部の記憶も徐々に甦りつつあります。そして、夕霧が公園で出会ったバイオリン弾きの少年。彼も特甲児童でした。しかも“特甲猟兵”と呼ばれるスペシャルな能力を持った・・・。夕霧は忘れてしまっていますが、彼女とは浅からぬ縁のようです。2011/02/06
磁石
18
砂漠に置き去りにされて何もかも、心まで失ってしまった少年。そこから抜け出すためには、血みどろの楽園へと進まなくてはならない。広大な砂漠は何もかも飲み尽くし、すべてを風化させる。やがて自分もまた、砂漠となってしまうほどに。……冲方さんはなぜ、病的な美少年(美味しそうな少年じゃない方)の描写が上手いんだろうか。2014/09/08
磁石
16
警察に捕まえられるのは/捕まえるのは、利用価値がなくなった悪党だけ、本物の権世と悪徳を振りまいている悪党は現役のままのさばっている。しかも大物であったのなら、法律では捉えることができず、ゴミ箱をひっくり返したなんて冗談みたいな罪でしか無理。狂ってる、腐ってる、クソッタレすぎる。もう都市そのものが/根本の原理から間違っていたとしか思えない。三番目に欲しいもの=欲しがっていたけど忘れてしまったモノ。こんな場所では葬るしかなくなる。身代わりとなった彼らは、今もずっと大好きだと言ってくれるだろうか?2017/06/15