内容説明
時は戦国の世の狭間。京の都に美しい能の舞い人、白火が現れる。その噂を知った名門一座の次期太夫、蒼馬は白火を自分の座に引き抜こうとするが、手ひどく断られる。実は白火は女の子。性別を偽り、女人禁制の舞台に立っていたのだ。しかし、蒼馬は白火が女であることを知らずに、彼女に惹かれていってしまい―!?桜降る能舞台で、男装の舞姫の伝説が始まる。第8回ビーンズ小説大賞読者賞受賞の能楽恋絵巻、開演。
著者等紹介
河合ゆうみ[カワイユウミ]
12月14日生まれ、『花は桜よりも華のごとく』で第8回ビーンズ小説大賞読者賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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エンブレムT
38
なるほどビーンズ小説!なるほど読者賞受賞作品!!能楽の世界を舞台にした、とても華やかな恋物語でした。乙女系ゲームの原作本だよ、と言われても違和感のない印象ですw『京で一番の傾き者、華麗なる女遍歴』と瓦版に特集を組まれるような人気太夫・蒼馬。彼が今興味をもっているのは、新進の美しき舞い人・白火。性別を偽り女人禁制の舞台に立つ白火を、男であると勘違いしつつ心惹かれていく蒼馬。桜降る能舞台の美しさが素敵でした♪おまけ小説も甘々で可愛かったです。でも「えっ、コレ続くの!?」と、ビックリはしてしまいました~(笑)2011/05/11
セシル
23
サカノ景子さんのイラスト買い。洋装を見慣れてたので和装は新鮮でした♪特に表紙は美麗。能の世界を背景に男と偽って舞う白火と、能の実力者・蒼馬のファンタジー&恋物語。読者賞という事ですが能への熱い思いが伝わってきました。個人的に蒼馬が白火を男の子だと思ってる状態でモンモンとしてるのが腐的に美味しかったです(笑)ツッコミ所や不安定な視点が気になったけど読み難いほどではなかったですね。両者の内面も分かったので。もう少し整理するとスッキリで◎不思議要素は薄くても。しかし続編か…どう引っ張るのかな?とりあえず次巻へ。2010/12/06
いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】
22
**ネタバレ**能という珍しい題材に魅かれて購入。主人公の能楽に対する真摯な情熱に好感が持てたし、何より二人の舞の場面の描写がとても丁寧で素敵でした。また、最初は、何トチ狂ってんだ、と思った蒼馬。男であると勘違いしつつ心惹かれるが白火が女性で良かったな。お前の眼は節穴ではなかったと称賛を送りたい。最後に知識がない私が悪いのですが、巻末に図解付きで解説を載せて欲しかった。母親の過去話の詳細が気になりますが、続編があるとの事でその後に期待。男装能楽師が巻き起こす騒動にご関心の方にお勧めします。2012/03/20
みちゃ
21
花は桜よりも華のごとく第一幕!能楽といういかにも日本的な古典芸能を題材にした作品です。能の幽玄な雰囲気は魅力的で、白火や蒼馬の舞の描写も綺麗でした。能楽や歌舞伎は一度はちゃんと見てみたいです。白火の舞に対する頑固なまでの執念と、芸人としての矜持は読んでいて好感が持ててよかったです。2010/08/01
ひめありす@灯れ松明の火
11
舞うことでしか上手に自分を表現できない、鬱屈した想いを抱えながらも健気に頑張っている白火が可愛かったです。絵も綺麗で面白くなくはなかったんだけど、やっぱり肝心要の能の部分がちょっと微妙かな、という感じです。いろいろ突っ込みたいところが山のように出てきて、素直にお話を楽しんでいられない状況に……。2011/01/10