出版社内容情報
「源氏物語」とも並び称される清代の小説「紅楼夢」。長大な物語を、石の神話、恋愛譚、貴族生活崩壊譚、女性列伝、戒淫といった流れごとにダイジェスト。原文の魅力を損なわず読み通すことのできる入門編。
【目次】
内容説明
美しい玉を口に含み人間世界に転生した少年・賈宝玉。前世は仙界の花であった少女・林黛玉。絢爛たる貴族の邸宅を舞台に、はかない二人の悲恋が展開する。長大な物語を「神話」「恋愛譚」「貴族生活崩壊譚」「女性列伝」「戒淫」といった複数の流れに解きほぐし、原文の魅力を損なうことなくダイジェスト。源氏物語とも並び称される中国古典小説の最高峰120回を1冊で味わい尽くす。膨大な研究史を踏まえた解説を付す、入門決定版。
目次
プロローグ―神話
1 恋愛譚
2 貴族生活崩壊譚
3 女性列伝
4 戒淫
続作 後四十回
著者等紹介
船越達志[フナコシサトシ]
1969年、山形県生まれ。名古屋外国語大学外国語学部教授。専門は中国文学。広島大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
7
中級者あるいは上級者向けの入門書。間違ってもビギナーズ用ではない。コラムや解説は読ませるし、随所で著者なりの読み解きも示されていて面白いのだが、ビキナーズ用としては同シリーズの水滸伝や西遊記と同様に、短い紙幅でオーソドックスに話の展開を辿るという形式の方が絶対良かった。著者が敢えて付けなかったという人物紹介はともかく、賈家の系図すらないのは酷い。2025/09/29
tokumei17794691
1
本書は、序盤で主要人物(賈宝玉、林黛玉、薛宝釵)の名前が似ており、登場人物一覧がないため、作品に入り込むまで読解ストレスがあった。都度説明する方針は理解できるが、主要三名の名前だけでも一覧を付けてほしかった。また、コラムでは主要人物の低年齢設定が「禁書対策」であるとしていたが、理由については触れられていない点も不満が残った。内容については、興味がなく退屈だった「恋愛譚」よりも、「貴族生活崩壊譚」「女性列伝」の章が、中国の大貴族の生活描写が面白く、中華風ファンタジーの資料として一読の価値があった。2025/10/26




