内容説明
もし、愛した人が精神を病んでいたら―。幻聴や妄想に苦しめられ、アパートにひきこもった晃の訪問指導を引き受けた新人ケースワーカーの美知。晃と気持ちを通じあうことは容易ではなかったが、美知のひたむきさに、晃は少しずつ心を開き始める。美知も晃の純粋さに安らぎを見出していく。だが、美知は晃の主治医・佐伯にも惹かれていくのだった…。優しさ溢れる筆致、美しいラストシーンが胸を打つ、究極の恋愛小説。
著者等紹介
小笠原慧[オガサワラケイ]
1960年香川県生まれ。東京大学哲学科中退、京都大学医学部卒業。現役の精神科医でもある。2000年、『DZ』で横溝正史賞を受賞。精神科医・岡田尊司としても、現代人の心をテーマにした作品を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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葉芹
11
多分今月最後の読了本。風邪薬でぼおっとなったまま読み終えた。あり得ない、あり得ない、と、思いつつ、杉浦君の魅力に負けて。2012/07/31
yakinori
9
統合失調症の青年と女性ケースワーカーの闘病の過程を描いたお話だと思って中盤くらいまで読んで、違うということにやっと気付きました。これは恋愛小説ですね。想像もつかなかったラストには好感をおぼえました。2015/04/17
ちばと~る
8
心理カウンセラーのヒロインが引きこもりの青年宅を訪問。やがて二人は激しい恋に~精神的に不安定な彼は予知能力を駆使して競馬でボロ儲けするが~そんな彼女にも過去のディープなトラウマが~先の展開が読みやすくてある意味面白いw2010/12/18
アマンダ
6
統合失調症の方を扱った小説を探して、この本にたどり着きました。まぁ、現実はこんなに甘くはないのでしょうね。筆者さん、男性だったのですね。2021/05/29
シロ吉日
6
統合失調症の友人がいるので読みました。二人は生涯ずっと一緒にいて欲しかった。僕は統合失調症では無いけれど、過去にイジメを受けて人が怖くなり外に出られなくなった事があるので気持ちは凄くわかる。前の自分を見てるよう。僕も作業所に行きました。今は社会で頑張っています。他のみんなも安心して受け入れてくれる社会であって欲しい。2012/10/31