内容説明
校内で暴力沙汰がおきて、その対応に悩む倫太郎とその仲間たち。医者である青ポンの祖父に導かれ、自分を見つめる勇気、劣等感の本性に気づき始める…。著者の没後に見つかったライフワーク『天の瞳』の最終話。大阪のささやかな居酒屋を舞台に、弱き庶民たちがこころを通わせる現代人情物語。本物の味、愛の教え、人のつながりとはなにか。著者の願いが込められた最後の新聞小説。2作品とも未完である。
著者等紹介
灰谷健次郎[ハイタニケンジロウ]
1934年、兵庫県神戸市に生まれる。大阪学芸大学(現・大阪教育大学)卒。17年間の教師生活の後、沖縄・アジアを放浪。その後作家活動に専念し、74年に『兎の眼』を発表、多くの読者の共感を得る。79年、路傍の石文学賞受賞。2006年11月23日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
47
この最終話の「さらに言葉を継ないで…」のあとに灰谷さんが最も伝えたかったことがたくさん綴られているのでは…とこのページの先を考えてみる。大人でも劣等感や自分を卑下する人は多い。側から見たらそんなことないのにと思うことばかりだが、他人には計り知れない思いがあるのだろう。人の気持ちを簡単にわかる〜そんなことないよ〜などと軽々しく言えないなぁと感じた。中には共感もしくは否定して欲しくて言う人もいるかもしれないが。残された人生、自分に欠けているものに目を向けるより欠けた部分を埋める努力をする人になろうと思った。2019/11/18
Miyoshi Hirotaka
27
「やられたらやり返す。倍返しだ!」は危険な流行語。なぜなら憎しみを増幅させるだけだからだ。真の抵抗はお互いの人間性を覚醒させ、人間らしく生きるための知恵を発見するもの。学生時代に少林寺拳法に出会って30年以上、実戦で使用したのは片手の数に満たない。実用の機会がない技術の習得にこれほど夢中になってきたのか?他武道を修業している方も考えるテーマのはず。それは、相手が変わることを漫然と期待するのではなく、自らが変わるための一歩を先に踏み出す勇気を武道から学んでいるのだ。これを描き切る前で絶筆したのが残念だ。2014/01/05
たぬ
15
☆4 青ポンのじいちゃん×タモツの問答が心に響くんだよなあ。じいちゃんの言葉を受けたタモツがどう動くのかが気になってたところへ作者さん闘病のため未完。句読点すらなく最終行は「さらに言葉を継いで」。ガチ未完ですよ。ぐうぅ。併録の飲み屋を舞台にしたお話もまた未完。ぐううぅぅっ。P256「いつでも会って、なんでも話せる友だちがたくさんいる方がいいでしょ?」——激しく同意します。2024/12/04
山下哲実
14
図書館本にて読了。 この作品が遺作だったとは... 灰谷先生が長生きしていたらどの様に ストーリー展開したのか気になります。2022/10/25
まぁいっか
10
こんな中途半端なところで終わるとは…不満とかそういうのではなくて、ただ悲しい。悔しいと言ってもいいのかな?2013/02/16
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