内容説明
乱闘事件で男子生徒が逮捕された。それを知った一人の女生徒は「罪にならないためにわたしたちはなにができますか」と、先生に問うた。その言葉に心を動かされた倫太郎たちは“一年七組からの手紙”として意見をまとめ、廊下に貼り出した。だが、学校側はそれを取り外し頑な態度をとる。誰かの問題ではなく、自分たちの問題として学校を変えていく。そう決意した倫太郎はルイ、青ポン、ミツルたち仲間と、生徒、教師、保護者の三者集会を開こうと動き出す…。シリーズ第七弾。教育とは、生きることとは何かをみずみずしく問う、感動のライフワーク。
著者等紹介
灰谷健次郎[ハイタニケンジロウ]
1934年、兵庫県神戸市に生まれる。大阪学芸大学卒。十七年間の教師生活の後、沖縄・アジアを放浪。その後作家活動に専念し、1974年に『兎の眼』を発表、多くの読者の共感を得る。1979年、路傍の石文学賞受賞
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感想・レビュー
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あつひめ
48
もしも私が子供のころにこのような本と出合っていたら、今とは違うものの考え方や人とのかかわり方をしていたかもしれない。そして、子育てにおいてももっと違う接し方ができたかもしれない。読み始めに書かれていた父宗次郎と母芽衣のやり取りがとても印象的だ。子供でも一人前の人間として向き合う。突き放すわけではなく相手を尊重するところはとても大事だと思った。そして、仲間を思う気持ちは一朝一夕では生まれない。長い時間をかけて身についていくこと。こんな子供たちがいたら賑やかであり、かつ将来が楽しみになるだろう。続きが楽しみ。2019/11/08
たぬ
15
☆4.5 本音でとことん議論するって経験ないなあ。思うこと・言いたいことがあっても独りでぶちぶち呟いてるだけだわ。「なに熱くなってんのw」的な反応されそうだし誰も賛同してくれなかったらと思うと怖いし。そもそもの話学校なんて行かなきゃいけないから行くものでしかなかったからなあ。この子たちみたいに変わろう、変えようと行動を起こすなんて思いつきもしないよ。▷おふみばあちゃん…(泣)2024/11/29
山下哲実
8
面白かったです。2022/10/22
恵美
8
人としてあるべき姿や生き方を正面から問われているように思う。この本に出てくる主要人物はそれぞれが皆尊敬できる人たちで、読んでいると自分の弱さやずるいところが嫌でも見えてくる。皆、自分というものをしっかりと持っている。そしてなにより温かさ、思いやりといった人と関わるときに一番大切なものも忘れていない。私がこの本に出会ったのにはきっと意味があるのだと思う。読み終わったときに少し成長した自分がいそうな、そんな気がする。皆、真剣。だから私も真剣に最後まで読みたいと思う。2013/06/06
kumahiko
2
ケンさんの授業、私もうけてみたいです(笑)。おふみさんが亡くなってしまったのには・・・1番最初に読んだときはかなりショックでした。2010/02/12