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角川文庫
蟻の時代―ウェルベル・コレクション〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 510p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042915027
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

密室殺人の謎を追う孤独な刑事と美しき女性記者が見た仰天の結末とは?!化学者ばかりが狙われる謎の連続密室殺人事件が発生。恐怖に歪む死体の表情は事件のむごたらしさを伝えていた。一方森の奥のアリの帝国では十字軍が組織されていた。生態系の最大の敵、人間を絶滅させるために――。

ベルナール・ウェルベル[ベルナールウェルベル]
著・文・その他

小中 陽太郎[コナカ ヨウタロウ]
翻訳

森山 隆[モリヤマ タカシ]
翻訳

角川書店装丁室[カドカワショテンソウテイシツ]
著・文・その他

内容説明

化学者ばかりが狙われる連続密室殺人事件が発生。恐怖にひきつった遺体の表情は事件の凄惨さを伝えていた。孤独な警視メリエスと人間嫌いの美貌の記者レティシアは、秘策を用いて謎の事件を追う。アリの都市ベル・オ・カンでは人間によってもちこまれた“神”の概念をめぐり二つの勢力が激しく対立。女王アリはついに、諸悪の根源である人間を倒すために十字軍の派遣を決意する。しかしそこには極秘の使命“マーキュリー・ミッション”を負ったスパイがまぎれこんでいたのだ―。怒涛の知識が織りなす、めくるめく驚異の物語。フランスの鬼才ウェルベルの最高傑作。

著者等紹介

ウェルベル,ベルナール[ウェルベル,ベルナール][Werber,Bernard]
1962年生まれ。トゥールーズ大学法学部卒業。国立ジャーナリズム学校でジャーナリズムを学び、報道週刊誌で活躍。“Le Nouvel Observateur”の専属科学ジャーナリストを務める

小中陽太郎[コナカヨウタロウ]
1934年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。作家。日本ペンクラブ専務。中部大学教授。ニューヨーク市立大学講師

森山隆[モリヤマタカシ]
1931年生まれ。幼少をベルギー、スイスで過ごす。大阪外国語大学スペイン語学科卒業。元パリユネスコ本部人事局長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

黄色と橙

9
前作のホラーテイストは影を潜め、活劇的なテンポの良さを感じる第2巻。とはいえ、蟻がカブトムシを飼い馴らし空を飛んだとしても、バグズライフのようなお伽噺を期待してはいけません。擬人化とは逆ベクトルの記述が続きます。それがこの本の面白さのキモ。ウェルベルは蟻と人類の「分かり合えなさ」の一線を決して譲りません。なのに登場人物と同様、蟻に共感してしまう不思議な読書体験。前作の方が面白いというのが正直な感想ですが一読の価値有りです。オリエンタリズムが時折顔を出すのも物語のテーマと合ってるというか、何というか。2012/04/07

マーンムート

9
103号の大冒険。女王シリ・プー・ニの出番が少なかったのが残念。そして、地下の人間達はどんどん変な方向に。ちょっとオカルト? マーキュリー・ミッションがずっと何のことだか分からなかったんだけど、そういうことか! しかし103号は、伝説のスーパー蟻かってほどの超人(蟻)っぷり。ラストの103号と、人間達との会話シーンはもっと読みたかったな。2012/01/01

きりぱい

8
子供たち何してくれるんだ!と思った前巻に続き、おばさん何してくれるんだ!のこの巻。更に追い打ちをかけるアクシデントから、「メス!」えええー!と、怖いんだか、ほろりとするんだか、笑えるんだか、トコジラミに一瞬気が遠くなった以外は驚くべき昆虫世界も楽しめ、新たな人間の不可解事件と交錯してどうしてくれようかともだえる面白さだった。3匹の蟻スパイで幕が開くマーキュリー・ミッションとは何なのか、再び両者で交信が深められた時、蟻は、人間は何を思うのか。103号の尽きない興味に表情をゆるめつつ、示される見解を笑えない。2010/08/10

Tatsuya

7
非常に面白かったんだけど、蟻世界の物語も人間世界の物語も、前作に比べて現実味がなくなってきて、ファンタジーというかSFというか、そういう方向に大幅にシフトしてきてるのがちょっと残念だったかな。とは言え、「人間が蟻の社会に精神的な干渉を行なったら」という仮定の上に展開されるストーリーは色々と考えさせられるところもあり良かった。103号のスーパー蟻っぷりがどんどんインフレしていってる気がするけど、人間に対して鋭い指摘をしている姿すらも可愛かった(笑)。2010/06/16

madhatter

7
文明批評など、単純な娯楽を超えた鋭い切り口の内容だが、それを抜きにしても相変わらず面白い。前作よりSF色が際立っているが、本作も多様な楽しみ方ができる。蟻と人とのファーストコンタクトから、物語は更に発展し、二者のコミュニケーションが双方から模索される。蟻の103号の「指」に対する、人間嫌いのレティシアを救った批評は痛烈で、それでも非常に美しく優しい。人間と蟻は、それを生かせるのか。続きが楽しみでもあり、読み終わるのが惜しくもある。ところで、私にはエドモンのクイズが前作から一問も解けないのだが…。2010/03/16

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