出版社内容情報
藤木芳彦は、ある日、全く見覚えのない場所で目を覚ました。うっすらと霞む視界に映ったのは、雨に濡れ、一面鮮やかな深紅色に染まった異様な世界。奇岩に囲まれた峽谷だ。記憶喪失か、それとも……。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サム・ミイラ
585
プレデターズやデス・レースのように物語自体は映画にありがちなネタだと思うがとにかく読ませる!シンプルでありながらアイデアと構成でそれらをはるかに凌ぐ面白さ。こういう作品はジャンルに迷うところだが、随所に出てくるグロい描写からやはりホラーとするのが妥当か。タイトルから火星を舞台にしたSFだと思っていたので、そんなわけはないが、とにかく色々な意味で驚かされる作品だった。しかし人肉を食べ続けると本当にあんなになるのか。事実か作者の創造か知りたいところではあるが、無理だよね(笑)2014/12/21
扉のこちら側
398
2018年248冊め。ゲームブックと絡めた展開というのは面白いと思ったが、このあまりにもスケールが大きいゲームを仕込んだ存在については消化不良である。そこを除けばサバイバルの描写などおどろおどろしくて楽しめた。2018/07/01
nobby
369
一気に読んだ。藤木が的確な選択し続けるのは展開的に当たり前なのですが(笑)ちゃんとその伏線も回収されてる。グロさはあるけど、どんどん読めるのは貴志作品ならではなのでしょうか。しかし、ゲームブック懐かしい!中高時代にはまった思い出が。Amazonで『火吹き山の魔法使い』探してます(笑)2012/08/17
そる
344
超サバイバル。ハラハラドキドキした。人間が食屍鬼(グール)と化してしまう様がホラー。人は極限状態に置かれると変貌するのか。スッキリしない終わり方で真実は主人公の予想だけ。しかし主催者の目的はその予想を聞いても理解不能。それこそが1番のホラーだ。藍の正体、ゲームブックのトゥルーエンドも全てがぼやかして終わった感じでモヤモヤ感が残る。「あんな連中が、それほど自分の心の支えになっていたと知って、藤木は以外の感に打たれた。どんな人間であっても、同じ境遇の仲間がいるということだけで、想像以上に励ましになるのだ。」2019/05/26
青乃108号
302
あまり好みではないデス・ゲーム系小説。冒頭、気が付くとここは火星…に良く似た見知らぬ土地。参加者9名による、ゴールの判らないゲームの始まり。400ページ近くあるボリュームだし舞台もゲーム世界に限定されてるから途中で絶対飽きるよね、ダレるよねと決めてかかって読み始めたところこれが意外と面白く、飽きるどころかストーリーも緩急がきいており後半になるにつれ緊迫感がどんどんつのりやめる事が出来ず一気に読み切ってしまった。物語に引き込む筆力はさすが岸志祐介。ああ面白かった。満足満足。2024/05/31