内容説明
新選組三番隊長・斎藤一は、鳥羽伏見の敗戦後も官軍に抗戦、奥羽戦役では会津藩に身を投じて戦い抜く。維新後は藩と命運を共にし、滅藩、斗南移住の苦難を経て、正式に藩士となった斎藤一は、薩長藩閥政府に抵抗を続ける旧会津藩士・高津仲三郎の足跡を追う。東京、大阪、京都、御五神島、佐賀、東京とたどるうちに、不平士族の反乱が続き、彼らの立場に同情を寄せ、陰ながらその支援に生きる道を求める。時代の変化に屈せず、あくまで己の節を曲げなかった斎藤一の生の軌跡を追い、敗者の視点に立ったもう一つの維新史を描いた長編時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はらぺこ
51
ちょっと新選組の斎藤一のイメージと違った気がする。人付き合いが良い好青年って感じ。 大河ドラマが好きやったんで、自分の中では斎藤=オダギリジョーなんですが、藤田五郎となれば警官の帽子を被った姿を思い浮かべます。しかし、耳の事が書かれると途端にミスタースポックか嶋田久作を思い浮かべて読んでしまいます。京都で島田魁に会った時からはオダギリジョーで読みました。島田は照英です。 西南戦争の件はあっさりしてたので肩透かしでした。やっぱ新選組時代を読みたいな。 2011/05/16
タツ フカガワ
39
鳥羽伏見の戦いはその後多くの人たちの人生を変えていく。新選組で屈指の剣士だった斎藤一もその一人。その彼の目を通して無頼に落ちて行った男たちを描いていく。斎藤一こと一戸伝八、改め藤田五郎の東北での貧しいながらも安らかな暮らし、海賊に囚われた瀬戸内での冒険譚に、佐賀城での決死の脱出など、史実と虚構が入り混じった物語、面白かったです。ただ登り龍のカバーイラストの意味はイマイチわからない。2022/05/17
さっと
10
おもしろかった。元新選組三番隊組長・斎藤一(藤田五郎)が主人公。「るろ剣」世代にとってはやっぱり特別な存在で小説でもかっこいいいいいい。土方らと袂を分かち会津に残って戊辰戦争終結を迎えてのち、警視庁に入るまでのおよそ10年間、人には「なに無頼な日々を送っていたのさ」と語るのをつねにしていたという(キュン)が、その空白を、史実と小説的なおもしろさないまぜで描く。朝敵とされながらも誇り高き会津の人たち、官軍ながら充分な褒美・地位に恵まれなかった不平分子、そして、激動の時代を義に生きた斎藤さん(キュンキュン)。2021/09/23
UMA
5
斎藤さんが主人公のおつかい系RPGを見ている感じ。様々なコマンド(「はなす」「しらべる」「たたかう」)を駆使し、時に強制イベントもありつつ。斎藤さんは勿論カッコよかったけど、実子と再会した容保と容保を見て涙する藩士たちのシーンがお気に入り。2011/08/03
かいり
5
明治に入ってからの斎藤さんのお話。なので新選組時代は回想でしか出てきません。斎藤さんと時尾さんのラブラブがいいです。終盤で島田さんが友情出演しています。
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- 和書
- 顔のない軍隊